仕事をする目的は,
お金を稼ぐことのみならず,
仕事を通じて,どう社会に貢献するか,またその過程で自分が成長し,どう充実した人生を送るかという視点こそ大切です。
ただ,今日は,あえて,金銭的なことに絞ってみたいと思います。
大卒の初任給が月20万円
日本の給与所得者の平均年収が437万円
会計士の初任給は450万~500万程度
トップ50社の超一流企業であれば,平均年収が800万円~900万円程度
給与所得者のうち1000万円以上の収入のある人が全体の3.8%
これが日本の現状です。
では,そもそも給料はどう決まるべきなのか。
これは,自分としては意外にシンプルだと思っています。
自分が会社にもたらした収益の1/5~1/6程度を貰える。
これは,全産業の売上高人件費率が15%程度ということを勘案して算定してみました。
人件費以外の経費がこれだけあることを示しています。
もちろん,士業やコンサルティングのような労働集約的な業種では,この率は,50%程度まで上昇する可能はありますが。
そのため,年収300万円もらうためには,会社に1,500万円以上の収益をもたらすことが必要であり,
年収1,000万円もらうためには,会社に5,000万円以上の収益をもたらすことが必要になります。
このように,会社に対して提供した価値(もちろん収益だけが提供した価値ではないですが)
によって,給料が決まるというのが,本来あるべき根本的な発想だと思っています。
しかし,日本社会には,この発想が非常に薄いと感じることが多いです。
新卒なら月20万円
勤続20年で課長になったら年収600万
部長なら,1,000万円
というように,肩書や勤続年数で給料が決まっています。
そのため,働く労働者側も,自分がどれだけの価値を提供しているのだから,給料はいくらだという発想よりは,何年働いて,この地位で頑張っているので,いくら欲しいというような発想になっているのではないでしょうか。
これこそ,年功序列が生み出した日本の特殊な価値観だと思っています。
年功序列が生み出したこの価値観こそが,日本の大学生が勉強しない原因の一つになっています。
いい大学に入るためには勉強する,就職活動のためには頑張る,
しかし,より高い価値を出せるようにするために,日々勉強し,努力するという意識が弱い。
これこそ,いい大学を出て,いい企業に入ることが目的になってしまい,自分がどれだけの価値を出せるようになるかという意識が希薄であるからこそ生じる事態だと感じています。
世界のトップスクールを卒業している学生がなぜ,毎日7時間も8時間も勉強するのか。
それは,如何にハーバードを卒業しようが,卒業後に価値を出せなければ,高い給料をもらうことは難しいと理解しているからだと思う。
対して,日本の学生は,大学に入ることが目的になっており,如何に大学生活を楽しく過ごすか,いい企業に就職できるかだけに意識がいっている人も多い。
その結果が,日本の大学生が毎日1時間~2時間しか勉強していないという結果を生み出している。
確かに,従来はそれでよかった。一流企業に就職し,その後企業内で普通にやっていれば,それなりに給料も右肩上がりで上がってた時代はそれで問題はなかったが,高度成長期という,奇跡の時代に通用していたルールであり,これからの日本の低成長時代には,適用できない。そのことは多くの人がわかっているにも関わらず,まだ,何とか過去の成功法則にしがみつこうとしているように思えてならない。
これは会計士でも弁護士でも同じだし,官僚でも地方公務員でも同じだと思う。
公務員も解雇制度が導入された段階で一気に,リスクが上がると思う。
これからは,結果を出せない限り,付加価値を提供できない限り,高い給料はもらえない時代になる。
もちろん,古き良き時代に憧れ,再度高度成長期が再来することを願うことも一つの選択肢かもしれないですが,可能性は極めて低いと言わざるを得ないと思います。
今後は,今までよりも企業のサイクルも短くなるので,自分の会社が倒産したり,世界の人材を競争をしていくことが求められる時代になる。
だからこそ,どのような状態になっても必要とされる,価値を如何に出せるような人材になるかがひつようであり,そのために必要な勉強や経験を積んでおくことが大切だと思う。
自分は,10年後には,日本でもトップ大学と言われる大学に通われている方は,毎日7時間とか勉強するようになるのではないかと思っている。
そういう時代になって,一番困るのは,その時に40代・50代になっていて,大した付加価値を提供できない我々の世代ではないでしょうか。
だからこそ,公認会計士に合格した方も,それだけで満足し,努力しなくなるのではなく,専門家として,より価値の高い付加価値を出せるようにするために,自己研鑽を続けてほしいと思います。
もちろん,会計士に合格するだけの勉強をしたので,合格しただけでも,専門家として価値を出せる土台は手に入れていると思いますが,そこにあぐらをかいていて安泰の時代ではないと思います。
厳しい時代なのかもしれませんが,受験に受かる・就職するというような単にどこに属するかということを目的にするのではなく,その結果,どのような価値を提供できるようになりたいのかということをしっかり考えることが大切ではないかと感じています。
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