短答式本試験まで,とうとう,1週間ですね。
最後のラストスパート本当に頑張ってほしいと思います。
今年の12月の短答出願者数が,7,689人と発表になりました。
これは,受験生にとっては非常にチャンスな時期が来たと思っています。
去年の12月が9,984人でしたので,2割以上の減少です。
なぜチャンスなのかを,以下の,過去10年強の公認会計士試験の合格者状況から分析していきたいと思います。
~平成12年まで 論文合格者が600名~800名前後で推移
平成13年 受験者12,073名 短答合格3,436名 論文合格 961名
平成14年 受験者13,389名 短答合格3,414名 論文合格1,148名
平成15年 受験者14,978名 短答合格3,404名 論文合格1,262名
平成16年 受験者16,310名 短答合格3,278名 論文合格1,378名
平成17年 受験者15,322名 短答合格3,510名 論文合格1,308名
平成18年以降,短答式2年間免除が導入されます。以下の数値からは,旧2次試験合格者はすべてのぞいています。
平成18年 受験者16,210名 短答合格5,031名 論文合格1,372名
平成19年 受験者18,220名 短答合格2,560名 論文合格2,695名
短答免除3,760名
平成20年 受験者19,736名 短答合格2,709名 論文合格3,024名
短答免除3,532名
平成21年 受験者20,327名 短答合格2,289名 論文合格1,916名
短答免除2,956名
平成22年 受験者25,060名 短答合格2,396名 論文合格1,923名
短答免除2,481名
平成23年 受験者22,773名 短答合格2,231名 論文合格1,447名
短答免除1,899名
平成24年 受験者17,609名 短答合格1,274名 論文合格1,301名
短答免除1,855名
平成25年 受験者13,016名 短答合格1,766名 論文合格1,149名
短答免除1,166名
平成17年までは,短答式の免除もなく,短答式は年1回で3,000名以上合格し,そのうち1/3程度が論文式試験に合格する試験でした。
これは,短答式はあくまで上位者を絞り込む目的であり,比較的合格が容易。
論文こそ決勝戦という位置づけでした。
そして,平成18年から短答式の2年間免除が導入され,合格者が急増しています。
この3,000名の合格者を輩出する計画において,社会人等の幅広い方が受けれるようにするというコンセプトがありました。
これからのグローバル社会において,監査法人以外の様々な分野で公認会計士が活躍してほしいという崇高な理念に基づく改革でした。
この改革自体は間違っていないとも思っています。
その結果,短答式の免除を除いても2,000名~3,000名の方が短答式に毎年追加で合格することになりました。
しかし,平成21年から未就職者問題が始まります。これは,リーマンショック等の外部要因に起因する部分も大きいですが,
内部統制特需の際に,一気に合格者を増やしすぎたという,計画性のなさが根本の原因であると思います。
そのため,内部統制特需が一服すると,人員過多になってしまい,平成21年以降監査法人が採用を極端に絞り込むという状況になりました。平成20年までは3,000名の合格者がほぼ全員監査法人に行っていた状況から想定すると,激変と言っていいと思います。
この結果,未就職者問題に対応するために,合格者を1,916名,1,923名,1,416名と減少させました。
それにも関わらず,監査法人の採用が合格者を下回ったため,昨今問題になっている未就職者問題が生じたのです。
この3年の合格者に,制度変更の不備の弊害が直撃してしまいました。
そのため,昨年は1,301名,今年は,1,149名程度まで減らしました。
このレベルに来ると,完全に平成17年以前の旧試験の合格者と同じようなレベルになります。
この結果,昨年から未就職者問題はほぼ解消し,今年などは完全な売り手市場にまでなっています。
(以前書いた記事なかなか当たっていたなと思っています笑!)
http://ameblo.jp/cpakunimi/theme5-10054993880.html
ただこのように,合格者が減少しているケースでは,短答式免除者の割合が多くなり,短答式試験の合格水準が極端に高くなっていました。これが近年短期合格を難しくしていた主な原因です。
しかし,今年は,短答免除者が1,100名~1,200名程度しか残っていないと想定されるので,短答式だけでも1,800名程度合格することが予想されます。この人数自体は昨年並みでしょう。
ここでここ数年の短答式合格率を見てみると,
平成23年度
12月 受験者 17,244名 合格者 1,708名 合格率 9.9%
5月 受験者 14,970名 合格者 523名 合格率 3.5%
合計 受験者 20,790名 合格者 2,231名 合格率 10.7%
平成24年度
12月 受験者 13,573名 合格者 820名 合格率 6.0%
5月 受験者 10,722名 合格者 454名 合格率 4.2%
合計 受験者 15,653名 合格者 1,274名 合格率 8.1%
平成25年度
12月 受験者 9,984名 合格者 1,071名 合格率 9.3%
5月 受験者 7,966名 合格者 695名 合格率 8.7%
合計 受験者 11,738名 合格者 1,766名 合格率 15%
平成26年は,12月の受験者が7,689人ですので,5月を合わせても,短答式受験者は10,000人以下になると思います。そして,短答合格者は1,800人程度と予想されるため,短答式の合格率が,合計で20%程度になるのではないでしょうか。
近年の短答式合格率が10%程度の状況からすると,2倍程度合格しやすくなっていると言えます。
試験制度変更の金融庁の懇談会やその前後の業界全体の動きを見てきただけに,本当に,元の状態に戻ったので,いいのかという疑問は個人的にありますが,その部分に関する意見を話し出すと長くなるので,今回は現状の分析報告にとどめたいと思います。
ですので,未就職者問題も収束し,短答式の合格率も大幅に改善しますので,
今受験する受験者にとっては,チャンスです。
直前期で,心身ともに大変な時だと思いますが,少し,いいニュースで,ラストスパートの応援にしたいと思います。
頑張れ 受験生!!
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受験者数の変動が激しいですね(^-^;
本当に面白い資格です。