所得格差・格差社会ということが色々言われています。
格差はよくない。
一部の富裕層がほとんどの富を独占している。
と言われることがあります。
自分は,極端な所得格差は是正すべきですが,
基本的に機会の平等を確保した上での,所得格差は容認する考えです。
共産主義にして,結果の平等を採用した場合には,必ず人々は堕落し,努力しなくなります。
また,共産主義の場合には,一部の権力を持った人種が膨大な富を独占するという面もあります。
ですので,競争原理は大切であり,その結果として,所得格差は必要であると思っています。
その上で,本当に困っている人に対するセーフティーネットは,基本的人権として大切ですし,
生命の安全を保つことは大切だと思いますので,
年金や生活保護等の社会保障システムで,しっかりとサポートしていくことが大切です。
そんな前提を置いたうえで,では今後所得格差はどうなっていくのでしょうか。
基本的に,日本では所得格差はどんどん拡大し,
世界全体で見れば,所得格差はどんどん縮小すると,思っています。
世界全体でみると
所得20,000ドル以上の人口が, 1.75億人
所得3,000ドルから20,000ドルの人口が 14億人
所得3,000ドル以下の人口が 40億人
となっています。つまり,大学卒業したての初任給で300万円(30,000ドル程度)もらえる日本が如何に恵まれているかがわかると思います。
また,1日1.25ドル以下で生活している人が,現在でも世界全体で12億人(世界の人口の2割程度)います。
かつこの1日1.25ドル以下で生活している人は,1980年には,世界の人口の50%(20億人)もいました。
つまり,この30年間で,途上国の生活水準はどんどん向上しており,そういう意味では,世界全体では所得格差は縮小してきているともいえます。
また,今後,ますます途上国の所得は向上しますので,世界全体で見れば,所得格差はほぼ確実に縮小していくと思われます。
次に,我が国日本は,ますます所得格差が拡大していくと思います。拡大と言っても,より多くの収入を稼ぐ人が増えるのではなく,今の所得水準を確保できない人が増えていくと思います。
つまり,しっかりと付加価値を出せる人の所得は維持または増加していくと思いますが,終身雇用により,大して価値を出していないが,勤続年数が長いだけで高所得を貰うということが今後困難になるはずです。また,もっと安い賃金で外国人労働者が働きたいと思う業種の給料もどんどん下がっていくはずです。
この動きに対して,国内だけに視点を置いた,格差社会反対というのは,先進国のエゴだと思っています。今まで,世界全体で見れば,完全は既得権益を保有し,裕福な生活を手に入れた先進国の人々は,今後従来と同じ努力のままでは,どんどん所得が下がっていきます。
途上国がどんどん付加価値を出せるようになっているので,世界全体で見れば所得格差縮小につながっていると言えるからです。
つまり,世界全体で見れば,日本こそが富を独占している人々に含まれているという認識が大切だと思います。
そのため,世界全体では格差縮小に向かっているのです。
また,ビジネスの世界でいえば,
同じ仕事を日本の新卒のサラリーマンが20万円欲しがるのを,2万円で請け負う,外国人労働者がいれば,どちらに仕事を依頼するかは明らかだと思います。
また,月収50万円欲しいのであれば,月収20万円の新人3人より,高い価値を出せることが求められてくると思います。
このような流れは,世界全体の時代の流れとして,止めることができない。
その中で,我々日本人が所得を稼ぐためには,高い付加価値を提供できる人材になることがますます求められる時代です。
将来のキャリアを考える際に,世の中の大きな流れの中で,どんな付加価値を提供できるようになるのかをしっかりと考えたうえで,キャリアを選択していくことが大切になっていると思います。
競争を促したうえでの過度の格差の無い社会にするという方向性の中で,日本の格差は,拡大する方向に進むのではないかと思っています。
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国見先生、こんにちは。ブログ拝見しました。
先生のブログ、おもしろいし、とても参考になります。
私は、仕事しながら、税理士合格目指してます。
これからも、ブログ楽しみにしてます!
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>楽しんごさん
コメントありがとうございます。そういっていただけると嬉しく思います。今後も,少しでもお役にたてる情報を発信できるようにしたいと思います。お仕事されながらの勉強は,大変な面もあると思いますが,頑張ってください。
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コメントありがとうございます。
試験の実力は少しずつ上がってる(と思います。多分…)分、視力が下がりました…。
でも、税理士なりたいんで、がんばります!
またコメントします。
どうもありがとうございました!
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所得格差の縮小は所得が多いいわゆるヒエラルキーの一番高いものから配分されるべきだとお思いますが、努力をしないものに与えるべきではないと思います