参議院選挙雑感

参議院選挙が終わって,感じることを述べておこうと思います。

まず,予想通り,自公連立政権が大勝し,ねじれが解消し,

政策が進めやすくなった状況はいいことだと思います。

今の日本は,政局なんかよりも,重要課題の政策をどんどん実行していく必要がある時期です。

ですので,形式上でも,実行しやすい形になったことは望ましいと思います。

その上で,今回の選挙を通じて,素直に感じることは以下のようなことです。

1.自民党が本当に日本を取り戻すことができるのか

 今,日本中が,なんとなくアベノミクスで日本は良くなるのではないかというイメージに包まれていると思います。ただ,イメージだけにながされるのでなく,民主党政権になる前はずっと,この自民党時代であったという事実を重く受け止めるべきだと思います。

 失われた20年で,教育問題も,社会保障問題も,中央集権化で既得権益優先の問題も,ほとんどなにも解決してこなかったからこそ,民主党への政権交代が起こったという事実。

 それにもかかわらず,また,イメージだけで,これだけ自民党に支持が集まるという,長期的視点を持たない,その時点の空気に大きく左右される国民性が,今の日本だなと感じています。

 

 今後,安倍さんは実行に向かって進んでいくと思います(安倍さんは本物の政治家だと思っています)が,自民党内での反対勢力が息を吹き返してきます。衆議院・参議院でともに大勝し,しばらくは選挙を意識しないで済むので,自分たちの利益のために行動する人が増えてくると思います。

 選挙の時だけ都合のいいことを言う政治家ではなく,普段の行動を観察し,誰が政局優先,既得権益の支持母体優先の政治家なのかをしっかりと見極め,次回の選挙に臨むことが大切だと思います。

2.若者の投票率が低い理由は,興味がないだけ

 若者投票率が低い理由は,

  よくわからない

  誰に入れても同じ

  政治不信

  忙しかったので,投票にいけない

 など,投票しない人の理由を聞くと色々な理由が後付で出てきます。しかし,すべての理由の根底には,興味がないだけだと感じています。自分の身近な生活に短期的に影響のないことには興味がないから投票しない。これが本音だと感じています。

 

 そう感じる理由は,良くわからいという人は,本当に少しでも調べようとしたのか。まず候補者のHPや政党のHPに行けば,どのような政策をうたっているのかは確認できます。それすらもしないで,良くわからないというのは,そんな受身の状態で情報が入ってくることを期待していてもしょうがないと思っています。

 わかろうと努力しないで,よくわからないという状況は,本当に単なる甘えで,そのような人は,一生わかることもなければ,一生投票もしないのではと感じてしまいます。

 また,誰に入れても同じや政治不信を感じている人は,政治家の人を基本的に軽蔑していると思っています。自分の選挙区の候補者のHPを見ることもせず,一度も講演会等に話も聞きにもいかず,ダメ出しをする。それは,どうかなと思います。

 民主主義で自分たちの代表として国政に臨む政治家の多くは,本当に立派な人です。確かに,とんでもない政治家も一部いますが,そのような人ばかりでなく,尊敬できる人の方が多いので,もっと,自分の選挙区の政治家を知ることにより,投票したい人がいないなどという現象は起こらないと思っています。

 知れば知るほど,投票したい政治家が多すぎて,誰に投票しようか悩むぐらいだと思います。

 忙しかったのでという人も,期日前投票も多くの場所で,朝8時から夜20時まで2週間も行える状況ですので,本当に忙しい人ほど,しっかり投票に行っています。

 自分が大切に思っている用事で2週間も放置することはしないでしょうから,また,投票日だけでも,朝から晩まで投票できるわけですから,5分投票に行く時間もないという理由にはならないと思います。

 ですので,投票をしない人は,根本は社会に興味がないからという自覚を持つことが大切なのではないでしょうか。もちろん,社会に興味を持たないという権利もあるので,持たないので,投票しないということも認められます。

 ただ,本音は興味がないだけなのに,種々の理由をつけて,興味はあるけど投票しないという発想で自分を正当化するのはどうかなと感じてしまいます。

 次回の国政選挙では,どうどうと,自分は興味がないから投票していないんだと主張してほしいと思います。逆に興味があるという人は,是非投票してほしいなと思います。

3.都合のいいことだけ言っていて,全体感のない政治家を支援しない

  個人名は出しませんが,本当に政策を聞いていて,全体感のない,ミクロのピンポイントのおいしい話だけして,票を集めている政治家は本当に残念ですし,また,そのピンポイントのおいしい話につられて投票をしてしまう我々国民もまた残念だなと思っています。

  すべての公共サービスは,支出が伴い,その支出は税金で賄われています。無尽蔵にお金がわいてくるのであれば,メリットだけ主張し,メリットがあることはすべてやればいいですが,会社の経営と同じで,どうやってトータルの採算を合わせ,その中で,最高のパフォーマンスを出すのかという視点で議論しないと,理想論を唱えたもの勝ちの状況になります。

  今の日本は,採算なんて無視して,理想論を唱えた人が当選しやすい状況があると思っています。

  これだけ国家財政が圧迫している中で,

 社会保障を現状の水準で維持するまたはより強化する

 教育をすべて無償化する

 増税は一切しない

 TPPに反対して,国内既得権益は守る

 原発は即時撤退し,再生エネルギーで賄う

 競争をやめ,格差のない平和で安定のある社会

 などなど

 すべて,実現できれば素晴らしいと思いますが,そんな予算はないし,どの選択肢にも新たなデメリットが発生するので,何かを選択すれば,何かをあきらめなくてはいけない。

 国会議員の方は,国家の全体像を考えたうえで,その全体像を実現するために個々の政策を論じてほしいのに,個々の政策にしか視点がない方は国会議員としての資質に欠けています。

 しかし,ピンポイントのおいしい主張だけして,では全体像はどうするのかというと,まったく考えていない政治家も多く,また,国民も全体像を考えない場合が多いので,ピンポイントでいいことをいう政治家を応援してしまうという悪循環になっていると思います。

 もっと政治家がしっかりしてくれないと困るという意見もわかりますが, 

 「鶏が先か、卵が先か」 ではないですが,まずは,自分たちが少しでも勉強し,より良い政治家をしっかりと支援することから始めるべきだと。

 自分たちの義務を果たしたうえで,政治家批判をするべきだと思っています。

 今回の選挙で,あえて個人名を出せば,

 民主党の東京選挙区から出馬した『すずきかん』氏が落選したのは,本当にショックです。

 自分は民主党を支持していませんが,すずきかんさんは,本当に当選してほしいと思っていました。

 教育の分野や震災復興の分野といった非常に幅広い分野で,献身的に国のために尽くしていた本物の政治家だと思っています。そんな彼が,民主党だからという理由で落選してしまうのは,本当に国家として大きな損失だと思っています。

 民主党だから絶対に入れないという思考停止に陥るのではなく,本当に国のために政治をやっている人をしっかりとみんなで応援し,支えていくような社会こそが,本来の民主主義だと思っています。

 今の日本は,会社に例えると,社員の多くは会社全体のことなどどうでもいいので,自分の待遇や仕事内容だけ良くしろと主張している状態に見えます。

  会社は大赤字だけど,

   給料(年金)は下げるな,

   ボーナス(増税するな)は削るな,

   うちの部門の予算(補助金)だけは削るな

   自分たちの部門に便宜を図ってくれる役員に媚を売ろう

   役員は,自分に賄賂をくれる取引先に便宜を図る

   それでいて,社員は,うちの会社の役員は終わっているねと愚痴だけ言っている

   会社を本当に立て直そうと奮闘している若手社員は,どんどん厳しい状況に立たされる

 こんな感じかなと。

 そんな会社がつぶれないわけないので,日本もどんどん厳しい状況に進んでいると思っています。

 それを変えるために,時間もかかりますが,我々にできる身近なことの一つとして,自分の選挙区で本物の政治家を一人探し,応援することだと思います。

 応援と言っても,少しの応援だけで全然違います。

  ・選挙の時に投票する

  ・少しだけ寄付する

  ・少しだけボランティアとして手伝う(年1日でも)

  ・少しだけ社会問題について勉強する(年1冊だけでも本読む)

 などでいいと思います。もちろん後援会等に入ることでよりサポートすることが望ましいですが,そこまでしなくても,少しだけでも応援するだけに,日本の政治は大きく変わると信じています。

 政治の話をすることがタブーではなく,支持する政治家がいないことの方がタブーであるという,民主主義では当たり前の社会になることが本当に大切だと思っています。

 そのために,ひとり一人ができることを少しずつやる。

 確かに一人では何も変わりませんが,多くの人が少しずつアクションを取れば必ず大きな変化が生まれるはずです。

 今回の選挙でも最も票を得て,解消した自民党すら1,846万票。

 投票率が50%程度であったことを考えると,6,000万票以上の無党派層が投票していないことになります。

 この方たちの半分の3,000万票が投票するようになれば,選挙結果にも大きな影響を与えることができ,自分たちの声は政治に反映されるようになると思っています。

 誰を支持するかは,個人の価値観の問題なので,自由です。

 ただ,しっかりと自分の判断基準に基づいて,特定の政治家を支持するという動きが広がって行ってほしいと心から願っています。

 多くの若者が,そのような価値観になれば,日本社会は本当にいい方向に向かっていくと思っています。

 なぜなら,投票率が低いと何が問題なのと言われることもありますが,投票率が低いことはその根底に社会に対する無知無関心の拡大があると思います。ですので,投票だけでなく,日々の行動も自分さえよければという価値観が広まっているのではないかと危機感を持っています。

 そのためにも,まずは結果が分かり易い,投票率が向上することは一つのきっかけになるのではないかと感じています。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    SECRET: 0
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    無関心と言えば、私が思うに、先生も知っている、昨今の公認会計士就職難のことですか。
    職にあえぎハロワに通い詰め、路頭に迷う未就職者が増え、その影響を知ってか公認会計士試験の受験者数が減り、最近は自然と受験予備校では、就職が良くなると言ってキャンペーンを始めましたね。
    司法業界では、3000人計画も撤回、司法修習生の給費制を復活させる動きがあるというのに、会計業界は如何でしょうか。
    あの時も、公認会計士の人はそのことに無関心でした。結果、大手予備校では、公務員試験講座が盛況で、公認会計士はガラガラらしいですが。
    無関心は、巡り巡って社会に影響しますね。

  2. 国見健介 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >通りすがりさん
    何が言いたいのか正確にはわかりませんが,会計士の就職状況は,2012年もほぼ全員監査法人に入っていますし,今年も全員監査法人に入れるでしょう。2009年から2011年にかけての混乱は収束しています。
    そもそも公認会計士も司法試験も合格者を大量に出した背景は,USCPAのように,合格しやすい試験にし,全員が事務所に入れる状態ではなく,色々な場所で専門知識のある人間が活躍できるようにするという趣旨もありました。それがいいか悪いかは別にして,1年程度で受かる試験にして,合格後にも競争させるという方向自体は否定するものではありません。ただ,一番いけないのは,しっかりと説明せずにコロコロと制度を変更したことです。3000人をキープするのであれば,それを一貫していればそれはそれでいいと思います。
    ただ実際問題として,2009年から2011年の合格者は不運であったと思います。また,2007年と2008年の合格者は幸運であったという面はあります。しかし,これは誰にも予想できなかったことであり,事後的にああだこうだ言うのは簡単ですが,合格発表の時まで,我々の業界ですら合格者は知らず,合格発表を見て,びっくりしていた状況です。
    その上で,誰が無関心だったのでしょうか。多くの会計士が問題視していました。実際私も金融庁が主催していた試験制度を検討する懇親会には合計10回開催され,出れるものはすべて見学しました。しかし,最終的には政治の問題は政治家と官僚で決めてしまいますので,思うようにいかないこともあります。ただその結果だけを見て,無関心というのはいかがでしょうか。
    かつ,日本の会計士業界の未来のためには,全員が事務所に入れ,希望する人がほぼ全員パートナーになれた昔の状態がいいとも思いません。多少の競争はなければ人は努力を怠る生き物です。それは公務員制度を見れば明らかだと思います。
    個人の価値観の問題でどちらが絶対に正解という問題ではないですが,そういう本質的な視点を一切無視し,未就職者問題が出たから,はい問題ですというような安易な批判はいかがかなと思います。
    だからこそ,長期的な会計士制度にとって,何が望ましいのかという視点から様々な意見交換がされるべきであり,ひとり一人が,しっかりと業界全体の未来のことを考えて,声をあげていくことで状況は少しでも良くなるのではないでしょうか。

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