物事を大局的にとらえる。
ミクロ的な視点ではなく,マクロ的視点から物事をみること。
このことの重要性は,浸透していると思うが,本当に実践することが難しい。
人は,すぐ
『木を見て森を見ず』
な状態になってしまう。
国全体のことを優先すべき政治家が,選挙に勝つことが優先になり,自分を支持する利権団体の利益を優先する
より良い社会にするためのはずの民間団体が,既得権益団体になり自分たちの業界の利益を優先する
より良い社会にするためのはずの会社が,会社の利益のみを優先する
会社として全体最適化を図るべき社内の意思決定において,自分の部署の都合を優先する
より良い教育を行うためのはずの教師が,自分たちの都合や保護者の機嫌を優先する
仲間内でも自分の都合を優先する
等
すべての事象について,木を見て森を見ずになってしまうことがある。
このような問題は,人としての倫理観・道徳観の問題でもあり,社会全体として人としての正しさとは何かということを考えていかなければいけない。
また,社会のあらゆる統治システムに歪みが出ていることにも起因している。
ただ,上記のような社会問題に起因していなくても,人は,木を見て森を見ずになってしまう生き物である。
その原因は何か。
大きく以下の3つの点に注意することが大切だと思う。
1.森と思っているものが実は木であること
自分では森と思っていることが実は木である状態。
ある商品を担当している部署があるとする。
本来その部署の森は,
良い商品を社会に提供し,国民生活を豊かにすることのはずである。
しかし,目の前の意思決定を行う場合には,
自分の会社の利益
自分の部署の利益
上司の機嫌
内部的などうでもいい調整
今まで会社が行っていた慣行・固定概念
表面的な対処
事なかれ主義
等
木の部分を森と思い込み,意思決定してしまっている。
そのため,定期的に,従来の思考をいったんリセットし,
『何のためにやっているのか。』
『本来どうあるべきなのか』
といった,本当の森を考え,その大局的な視点から,見直すことが大切だと思う。
ここを間違えてしまうと,当初設定した目的自体が間違っているため,非常に危険である。
2.当初は森を意識していたが,次第に木を見ている
人は,目的と手段を意識して区別している。
しかし,人は手段を行っていると目的を忘れてしまう生き物である。
日々の業務・作業に追われていると,どうしても目的を見失いがちになる。
だからこそ,常に,大局的な森から物事を捉えることを意識しなければいけない。
当初の目的を日々意識できている人は本当に強い。
3.価値観が麻痺する
人は,環境に大きな影響を受ける生き物である。
その業界に長くいると,その業界の価値観こそが,常識と思ってしまう。
友人関係でも,自分の仲間内の価値観こそが,常識と思ってしまう。
一般論からすれば,そんなおかしいことはないと思うようなことであっても,
当事者は,一切わからなくなってしまっている。
だからこそ,色々な人の意見に素直に耳を傾け,常に自分を見つめなおすことが必要なのだと思う。
目的自体を誤って設定してしまうと,そこからもたらされる結果も望ましいものではなくなってしまう。
(本人は,目標自体を誤ったことも,望ましくない結果が生じていることにも気づいていないことの方が多い)
だからこそ,物事を大局的に捉え,考える習慣を身に付けるように心がけたい。
【大局的に捉えるために意識したいポイント】
・目的を常に意識する!
・いつの間にか気になっていないかを意識する!
・社会全体のことについて知識を増やす!
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