日本の教育は色々問題があるというのは,20年以上言われ続けていることだと思う。
主体性・創造性・課題発見能力・問題解決能力・論理的思考力・目的設定能力・道徳心。。。
色々養うべきものは多い。
最近議論になっている事案と言えば
秋入学
大学入試にTOEICを導入
小学校・中学校・高校を6・3・3→4・4・4に変えよう
とかの形式面の対処療法ばかり。
本気で教育を変えるのであれば,教育の中身の実の部分を変えないといけない。
もちろん形式面を変えることで,中身の部分を変えやすくなる効果には賛成であるが,
今のままでは,形式面を変えても,多分効果は少ないと思う。
逆に,公認会計士試験と一緒で,形式面だけを変えることで,現場の負担だけが増え,マイナスにさえなると思っている。
その理由は,大きく2つあると思っている。
1.中身の議論が十分ではないし,現場の教育者に浸透していない。
まず,本当にどのような教育の中身にするのかという部分の議論が疎かになっていると思う。
道徳心を養う。主体性を養うと言っても,実際にどのような授業を実施するべきなのかという議論が十分にされていないと感じる。また,仮にされていたとしても,現場の最前線で教育に従事している教育者に浸透していないと思う。
そのため,文部科学省の官僚の方や,識者と言われる方がいくら形式面を変えても,その趣旨自体も現場は理解しない状態であると思うので,ほとんど成果は出ないと思う。
2.教育者自身に高い教育を実践できる方が少ない
日本の教育の大きな問題は,教育者の質にあると思う。従来の教育をずっと行っていた教育者やビジネスの現場を知らない教育者がほとんどだと思う。
そういう人に,いくら今後のビジネスの現場で生きる人材を育成しろと言っても,教える教育者自身がその経験を一切していないので,なかなか難しいと思う。
また,教育現場に正しい評価システムや競争原理もないので,より良い教育を実施しようという意識が弱くなるし,問題を起こさなければいいという事なかれ主義が蔓延しやすくなっている。
そのため,熱意のある教師が入ってきても,逆に問題児扱いされていることも多い。
だからこそ,教育の現場にもっと,外部の血を入れるべきだと思う。欧米のトップスクールの様に,各分野で一流を極めた人を,第2の人生として教育現場に受け入れることが必要。
教育一筋でやってきた教育者と,実務の現場で結果を残してきた人が,お互いの経験をぶつけ合いながら,質の高い教育を実践し,かつ,評価システムをしっかり構築することが求められていると思う。
一度教授になったら,大きな問題を起こさない限り,教授で居続けられるシステムや,いい教育をしている教師よりも,問題を起こさないで無難にこなしている教師が評価されるようなシステムを改革することが本当に大切だと思う。
そういう問題の根源には触れず,周りの形式面をいくら変更しても,一向に解決せずに,また数年後には形式を変更しようという意見が繰り返されてしまうと思う。
学生が,
尊敬するような
憧れるような,
人生のロールモデルになれるような
かっこいい教育者の割合を増やさない限り,質の高い教育など,実現されるわけがないのではないか。
形式的な変更を実施するような報道を見るたびに感じてしまうことである。もっと,優秀な人が教師になりたいというような制度改革が本当に求められているのだと思う。
教育は,国の根幹を支える非常に重要なものです。しかし,効果が出るまでに,10年や20年以上の歳月がかかってしまうので,形式的な変更や先送りされる傾向が強い。しかし,そのようなことを繰り返しても一向に問題は解決しないので,形式的な制度変更を繰り返すのではなく,必要な教育の中身の検討や優秀な人材が集まるような仕組みづくりに対して,腰を据えて取り組んでいくことが必要だと感じます。
競争原理が働かない業界であるからこそ,制度設計は慎重に長期的なビジョンで行うことが必要なので,焦ったり,とりあえず表面的な問題に対処するような制度変更だけやめてほしいです。
どうすれば,優秀な人がより多く教育者になりたいと思うようになるかということを模索し続けたいと思います。
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