理解の目的!(公認会計士編)

理解が重要ということは,このブログでも繰り返し伝えてきました。

今日は,少し視点を変え,理解する目的を分類してみたいと思います。

理解する目的は,以下の様に様々あります。

その上で,自分にとってどの理解が今不足しているのかを意識し,正しい対策をとることが大切になります。また,合格点を取るために,時間を取るべき理解と,時間を使ってはいけない理解の区別も大切にしてほしいと思います。

1.科目の全体像を把握するための理解

これは,その科目のすべてに係わってくる最も根本的な理解のことです。

たとえば,簿記でいうのであれば,

財務諸表の仕組み,つながりをどれだけ正確に理解しているのか

複式簿記の原理をどれだけ正しく理解しているのか

簿記の一巡をどれだけ正しく理解しているのか

発生主義と実現主義が,財務諸表にどのように反映されるのか

適正な期間損益計算・財政状態とは,どのようなものなのか

この科目の根本の理解を疎かにしていると,その後のすべての論点の理解が曖昧になってしまうことがあります。ですので,まずは科目の全体像を把握するための理解を大切にしてほしいと思います。

上記内容は,入門期の始めに学習する内容であるため,勉強がある程度進み,成績が伸び悩んでいる原因の大きな要因であるのですが,軽視されていることが多いです。

2.各論点の全体像の理解

個別論点でいうところの,取引のイメージや財務諸表に計上される金額の俯瞰的な理解。

構造論点でいえば,構造の俯瞰的な理解が該当します。

連結会計でいえば,企業集団の財務諸表を合算し,連結修正仕訳を加味し,連結財務諸表を作成するイメージを正確に持ち,その上で,個別上の状態を理解する。その上で,連結上の望ましい結論を理解する。だからこそ,個別上の状態から連結上の望ましい状態にするために,このような連結修正仕訳が必要だよねというのをざっくり言える状態。

この各論点の全体像の理解も,その論点のすべての論点の理解に影響してくるため,非常に重要であるが,つい,各具体的論点の細かい論点を考える際に,軽視されてしまい,結果として,木を見て森を見ず状態に陥ることが多いので,注意が必要です。

3.各論点の具体的理解

これは,上記1.2.の理解をしかっりしたあとで,各論点の具体的な考え方,会計処理,財務諸表計上額を理解すること。ここが理解の中心と一般に思われていますが,実は,上記1.2.があってこそ3.の理解が効率的になるという関係を大切にしてほしいと思います。

4.基本的重要論点を暗記するための理解

上記,1.2.3.の理解は,最終的に暗記を効率的にしてくれます。理解しているからこそ覚えられる。だからこそ,しっかりと理解し,その理解を確認しながら4回から5回反復することで記憶は定着すると言われています。

理解せずにやみくもに暗記してもいつまでたっても覚えることはできない。またその瞬間は覚えたとしてもすぐに忘れてしまい,本試験の時には覚えていないという状態に陥ってしまう。

だからこそ,暗記と理解は相反する関係ではなく,表裏一体の関係であり,理解するから覚えられ,覚えるからこそ,理解も深まるという関係にある。

よって,理解理解というと,より応用的な論点を理解すると誤解されがちであるが,基本的な論点をしっかりと理解し,安定して合格点を取るために,重要論点の理解をしっかりと行う必要がある。

5.ケアレスミスをなくすための理解

ケアレスミスは,ケアレスミスではない。ケアレスミスをするということは,何かしら原因があると考えたほうがいい。理解が不足しているケースもあれば,単に反復不足のこともある。この場合に,理解が不足しているケースのケアレスミスを少なくするためにも理解は大切である。

理解するからこそ,問題文の指示やどの資料を使うべきかの判断でも悩まなくなるし,検算等も上手になる。また,自分が出した解答の矛盾等にも感覚的に気づきやすくなるため,御簾が減るという側面もある。また,理解が上級レベルになれば,問題を見た段階でどこに注意を払って解くべきか,どこでひっかけようとして出題されているかまでわかるようになれば,ケアレスミスを圧倒的に減らすことができるようになる。

6.問題の見極めのための理解

難しく解く必要のない問題と,必ずとらなければいけない問題の見極めをうまくするためにも重要論点の理解は大切である。正しく理解しているからこそ,問題を見極める力が養われる。

7.基本論点の応用問題に対応するための理解

  基本論点が応用的に出題される場合がある。一部推定になっていたり,普段とは指示の与え方の視点を変えるような問題。このような問題は,理解が不足していて,機械的に問題を解いている場合には対応できなくなってしまう。本試験で基本論点の応用問題はしっかり得点したいため,基本論点・重要論点は正確に理解しておきたい。

8.応用論点の応用問題に対応するための理解

応用論点がさらに応用問題として出題された場合には,応用論点もすべて完璧に理解する必要がある。また,その場対応力も求められる問題も多いので,応用論点の応用問題にまですべて対応しようとすると非常に多くの時間を費やしてしまい,短期合格には得策でない。そのため,応用論点については,素直に出題された場合にしっかりと得点できるレベルの理解で問題がないと思う。

9.本当に細かい埋没論点の理解

  本試験でまず出ないような細かい重要性のない論点,試験委員同等の論点や,上級・直前答練・模擬試験で出題された難易度の非常に高い応用論点等は,本試験でその理解を必要とするような問題が出題されることはほとんどありません。また,仮に出題されたとしても,範囲が膨大過ぎてすべてをカバーすることはできません。

ですので,そのような論点の理解には時間を使わずに,表面的に結論をおさえるか,一切捨ててしまうことが望ましいです。

長々述べましたが,理解といっても色々な理解や目的があります。

その上で,公認会計士試験を合格するために必要な理解は,上記の1.~7.までの理解です。

そのため,何でもかんでも気になった個所を理解しないと気が済まない人は,8.や9.の論点の理解に無駄な時間を多く費やしてしまっている可能性があります。

また,1.2.の理解を疎かにしたまま,3.~7.の理解をしようとしても,どうしてもしっかりと理解することが困難になり,結果として多くの時間を費やしたにもかかわらず,なかなかテストの点数が伸びない原因になってしまいます。

よって,まずは理解する目的は,確実に合格点を取ることであり,そのためには,基本論点・重要論点を本当に正確に理解することが求められているという意識を特に大事にしてください。

その上で,1.2.という根本の理解を常に意識しながら,3.~7.の具体的な理解を習得するというやり方がお勧めです。

簿記が苦手な方の質問を受けていると,本当に,1.2.の理解が不十分なケースが多いです。

そこを直さない限り,いつまでたっても不効率な勉強からは脱出できませんので,特に注意してほしいと思います。

 

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