成果は量×質の掛け算で決まる。
量は純粋に時間を多くやることと定義しましょう。
質は,最適な方法で効率的にやることと定義しましょう。
だから一番簡単な本質の理解は,最適な方法で量を多くやれば成果は出るということになる。
今日は,本質を理解するというテーマで量と質の関係について少し掘り下げてみます。
理解とは,物事の道理や道筋が正しくわかること
本質とは,物事の根本的な性質・要素
つまり本質的な理解とは,物事の根本的な性質や要素について,通りや道筋が正しくわかることと定義しておきましょう。
先ほどの最適な方法で量を多くやれば成果は出るというのは,ある意味正しい本質的な理解であると思う。ただ,ここで状況によって,どのように使い分けるかということの奥の深さがあると思っている。
なので,今日はもう少し深く掘り下げてみます。
本質1 量をやらないと質は高まらない
量と質をバラバラに考えるのではなく,一定量をこなさないと質は高まらない性質もある。やはり経験を積み気づく部分もあるからである。だからこそ,質を高める方法を考えすぎるよりは,ある程度考えたらまずは量をやってみて,今やっている質が正しいのかどうなのかを検証したほうがいいと思う。
本質2 だからこそ,早めに量をやったほうがいい
まず早めに量をやることが質を高めることにつながるからこそ,初めのうちに一気に量をやる期間をつくったほうがいい。これは勉強でも仕事でもいえることであるが,初期の段階で量をやることで早期に質を高めることが可能になる。だからこそ,勉強も学習初期段階で復習を多くやる。仕事も20代の最初の数年はとことん働くといった方法がお勧めである。
本質3 質は時とともに最適なものが変わる
これは,質を改善するという意味ではなく,その時ベストな質が,時が経てばベストでなくなることもあるということ。周りの環境が変化することも影響するし,自分のレベルが変化していることも起因する。勉強でいえば,基礎的な内容を勉強しているときに大切な質と,応用論点を勉強しているときに大切な質は異なる。応用論点を学習する際には,その論点の基礎的な論点の理解を再度確認してから学習したほうがいいし,他の論点の理解と組み合わさることも多いので,過去の質に影響を受けてしまうといったのが具体例の一つ。また,その人のレベルに応じて最適な質の定義も変わる。プロレベルの人が意識する質と素人が意識する質は当然異なる。だからこそ,自分のレベルの変化に応じて常に質を変えることも大切だし,自分とレベルの異なる人のアドバイスがそのまま今の自分に最適でないということも言える。
本質4 時間は24時間とすべての人に有限であるが,質に限界はない
時間は一日どんなに頑張っても15時間程度しか継続することは難しいと思う。しかし,質の部分の改善には,限界はないと思う。もっと効率的にやる方法はないのか,もっと異なる視点はないのかと考えることが大切であると思う。たとえば,ちょっと極端な例になるが,すべてを自分でやる必要なない。部下や仲間に任せれるところは任せた方がいいし,部下が成長すればするほど,任せれる量も増えるため,周りの人を成長させることも大きな視点でいえば質の向上につながっているともいえる。
まあ,色々書いてきましたが,要は,色々な視点から物事の本質を考え,理解していくことは大切ということをお伝えしたいと思っています。。言葉を表面的に理解し,最初の定義のような理解だけでとどまってしまうのか,もっと,本質を追求するために,色々な視点を考えていくのかが大きな差になってしまいます。
色々な視点から物事を深く考えると,より物事の本質が見極められてくると思う。
その上で,状況に応じて,どう使いこなすのかという力が求められている。
これだけは,マニュアル等で教えられるものではなく,ひとり一人が状況に応じて使いこなすしかないと思っています。そのためには,本質を理解し,自分なりにどう使いこなすのかの持論を構築する作業が欠かせない。すべてがどう使いこなすのかの程度問題なので。
その上で日々行動をし,また持論を再構築するということを繰り返すうちに,経験則として,この場合は,どの程度感で使いこなせばいいのかという第6感ともいえる感覚が研ぎ澄まされていき,より質が高まりやすいという好循環に入れるのだと感じています。
ここに,3日や1週間で,習得できるような近道はないのだと。
すぐに答えを教えてもらいたがる人は,この物事の本質を理解していない。その質問に対しては答えを得て,満足するかも知れないが,まったく本質を理解できていないので,いつまでたっても使いこなす力が養われない。そのため,またちょっとでも違う状況ではうまくいかないということが起こり,本人もなぜうまくいっていないのかを理解できない。この前はこれでうまくいったのにという状況になってしまうことが多い。
経験を積み,適切なフィードバックを行い,どんどん力を養うためにも,一度自分の頭で本質をじっくり考え,持論を構築するという作業を怠ってはいけないと思います。
これは,公認会計士の勉強でもいえること。
講師に答練は本気でを受けなさい。そして,必ず原因分析をしっかり行い,次の対策に活かしなさいというアドバイスを受けた場合にも,本気で受ける意味や原因分析の本質を考える作業を怠り,言われたことを何も考えずにそのまま受け身でやっていても効果は低くなっていします。
だからこそ,しっかり自分の頭で本質を考え,理解する。一つひとつの原則やアドバイスが意味している意味は何なのかを自分なりに考えるという地道な作業をしっかりやれるかどうかは非常に大きな差になってしまう。
ちょっと長文になりましたが,本質を理解するという意味。自分の頭で考え,持論を構築する意味の大切さが伝われば幸いです。
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ご無沙汰していました。今年もよろしくお願いいたします。
古今東西、著名な教育関係の先生方ほど、今日の管理人様の論旨を力説しているように私には感じています。私はタイトルのように定義して教えていました。
プロセスのモデルはよしとして、その課題解決作の実行を期待している年寄りです。
またお会いできる機会があることを期待しています。
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理解と本質についてわざわざ記事を書いていただきありがとうございます。
前回私が「理解」と「本質」の意味を問うたのは、受験生に対して「本質の理解が大切である」とことさらに主張することは受験生にとって有害であると感じているからです。
つまり、勉強が上手くいっていない受験生というのは「本質の理解」ということが質感として実感できていない可能性が高く、そのような受験生に対して抽象的な言葉を羅列してもほとんど意味をなさないどころか、有害であると考えます。
例えば以下は今回の記事の一部分です。
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これは,公認会計士の勉強でもいえること。
講師に答練は本気でを受けなさい。そして,必ず原因分析をしっかり行い,次の対策に活かしなさいというアドバイスを受けた場合にも,本気で受ける意味や原因分析の本質を考える作業を怠り,言われたことを何も考えずにそのまま受け身でやっていても効果は低くなっていします。
だからこそ,しっかり自分の頭で本質を考え,理解する。一つひとつの原則やアドバイスが意味している意味は何なのかを自分なりに考えるという地道な作業をしっかりやれるかどうかは非常に大きな差になってしまう。
>>
この部分を受験生は耳が痛くなるほど聞いているかもしれません。しかし、依然として「結局どうすればいいの?」という疑問が拭えないのです。この文章の意味が実感として伴わないからです。
コメント欄の1番の方も仰っていますが、教育者にとって
"課題解決作の実行"
が重要なのであって、受験生にとって意味のわからない文章を何度書いても効果がありません。
もちろん国見さんは自身の文章について、国見さんなりの質感が伴っているので、抽象的な文章を書いているという自覚がないかもしれません。しかし、こと勉強につまづいている受験生にとっては質感が伴わない可能性が高いと思われます。
以上です。大変失礼なことを書いたとは思いますが、当然のことながら人格否定などをするつもりはありません。ただ、ネットだからこそできる議論もあろうかと思いますのでコメントさせていただきました。
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国見さんが直接教えている受験生の方については、もしかすると今回の記事の内容をより具体的に実行可能な形で伝えているのかもしれません。
しかし、この記事は国見さんが直接指導していない受験生も多く見る可能性があると思われることから、一意見としてコメントさせて頂きました。
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>おせんべいさん
コメントありがとうございます。
原因分析については過去のこの記事を参考にしてみてください。
http://ameblo.jp/cpakunimi/theme12-10053213305.html
おせんべいさんがおっしゃる通り,短期的には有害であることもあると思います。逆に何をしていいのかわからなくなってしまう人がいるということでしょう。そこまで考えなくても,何とか力技で合格できる人も多いと思います。ただ,そのように合格した場合,物事を考える力がついているのかというと多少疑問です。実務的な多くのことは,物事が複雑に絡み合っており,科学や数学の様に簡単に原因と結果が証明できないものです。だからこそ,因果関係を把握するのがとても難しい。そのため,因果関係の基本的な考え方は教えることができるが,個々の状況に応じて,複数の要素が絡み合っているので,一概にこれこそが正しいというものではないのです。そのため,日々考える癖をつけていかないと,合格するためにも,合格したあとで仕事で成果を出すためにもマイナスになると思います。自分がテストで点数を取れない原因分析がうまくできないようでは,社会に出て物事がうまくいかない原因分析がうまくできるとは思えないのです。複雑さが何倍にも高まります。だからこそ,多少負荷をかけてでも自分で考える。どうしても考えてもわからない時は,講師に質問する。そのステップを飛ばし,何でもかんでも教えてほしいでは,力が養われないと思っています。悩んでしまう人がいるからと言って,では,本質を考えろと教えなくていいのか。そうではないと思っています。葛藤しながら,考える。仮説を立て,原因分析をし,次にトライする。その繰り返しで,徐々に原因分析がうまくなると思っています。多くの生徒に,自分で答えを導き出す力をつけてほしいと思うからこそ,本質を考えてほしいと発信しています。
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>tsuguo-koderaさん
こでらさん こちらこそ,今年もよろしくお願いします。
課題解決策の実行ですが,これは日ごろから物事を論理的に考える・物事の因果関係を考える習慣を身に付けさせるしかないと思っています。一長一短で身につく能力ではないですが,地道に考えることの重要性を伝え,考える際に大切にしてほしい視点も伝える。しかし,安易に答えを教えない。安易に答えを教えれば教えるほど,その場は効率的ですが,本人が考える力を養っていないため,また次のケースで同じ問題になってしまいます。
ですので,表面上の問題が生じた場合に,その表面上の問題に対処するのではなく,根本の原因に掘り下げる,なぜ考えていないのかということを掘り下げ,考え方がわかっていない,考える重要性が伝わっていない,根気がなくすぐあきらめてしまう。根気がなくすぐあきらめてしまう場合には,なぜ諦めてしまうのかを考える。小さな成功体験が不足しているのか,なんでも諦めれば親が助けてくれたのか,苦労して達成した時に褒めてもらっていないのか等々。このなぜを5回ぐらい繰り返せば,本質の原因にたどり着けるのではないかと思っています。そのプロセスを生徒に教え続けることが,時間はかかりますが,生徒が自分で解決策を見つけ,課題を解決力を養うことにつながると思っています。この生徒が自立する力を養うことこそ,教育の本分であると思っています。
ですので,今日から始めた私塾でも,徹底的に考えるということを行うことで,考える力を養うようなカリキュラムを構成したいと思っています。
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>国見健介さん
忙しい中お返事ありがとうございます。
>
逆に何をしていいのかわからなくなってしまう人がいるということでしょう。そこまで考えなくても,何とか力技で合格できる人も多いと思います。
>
これは誤解があるようです。私の主張はむしろ考えるという行為は重要であるというものです。
考える行為が重要であるということについては異論がありません。
しかし、考えるという行為が重要だという前提に立ったとして、その行為の重要性をいくら説いてもなかなか効果はないのではないか。というのが私の主張です。
考えるとはどのような行為でしょうか。考えるという行為は知識、経験に基づいて行われるものです。「バカの考え休みに似たり」という言葉があったと思いますが、これは何の知識も持たずに考えることはできないという趣旨の言葉であると思います。
考えるという行為が重要で、受験生にそれを行って欲しいならば、考えるために必要な知識を与える必要があります。どのように考えるべきか、ということを『知識として』伝達することが必須です。
失礼ながら国見さんのブログを読んでいると「理解や本質の大切さ」を説くものは数多くあるのですが「どのように考えるべきか」をスキル(知識)として伝達するようなものがなかなか見つかりません。あったとしてもかなり抽象的な話で終わってしまっています。
試験になかなか受からない受験生が求めているのは理解や本質の大切さではなく、スキル(知識)です。出来る限り具体的なレベルに落とし込んでいかなくては考える事すらできない、ということを主張したいです。
もちろん、そもそもの考え方が国見さんとは違ったり、それぞれ指導方針も異なると思いますので、いろいろな先生がいるべきだと思います。
返信は水掛け論にもなる気がするので、もしできたらしていただければ幸いですが、返信がなくても大丈夫です。
ただ、多くの受験生が見ていると思われるこのブログで、私のような主張があるということも受験生が知る事は有用だと思いましたのでコメントさせていただきました。
これからも頑張って下さい。
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>おせんべいさん
コメントありがとうございます。
おせんべいさんの言うような感想を持つ方は多いと思います。その上で,本日の記事を参考にしてみてください。
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>国見健介さん
ありがとうございます。
かなり失礼な表現が多々あったにも関わらず、真摯に返信してくださる姿勢に頭が下がります。
先生のように教育に真正面から取り組む方がいることを嬉しく思います。
陰ながら応援しています。