公認会計士試験制度!

本日平成24年の公認会計士試験 第2回短答式試験の合格発表がありました。

受験者 10,772名 合格者 454名 (合格率4.2%)

ここ2年間に続き,12月に比べ,非常に厳しい合格率となりました。

今日は,公認会計士試験の今後のあるべき制度について,考えを述べたいと思います。

まず,以下の,過去10年強の公認会計士試験の合格者状況を見てください。

~平成12年まで 論文合格者が600名~800名前後で推移

平成13年 受験者12,073名 短答合格3,436名 論文合格 961名(合格率8.0%)

平成14年 受験者13,389名 短答合格3,414名 論文合格1,148名(合格率8.6%)

平成15年 受験者14,978名 短答合格3,404名 論文合格1,262名(合格率8.4%)

平成16年 受験者16,310名 短答合格3,278名 論文合格1,378名(合格率8.4%)

平成17年 受験者15,322名 短答合格3,510名 論文合格1,308名(合格率9.0%)

平成18年以降,短答式2年間免除が導入されます。以下の数値からは,旧2次試験合格者はすべてのぞいています。

平成18年 受験者16,210名 短答合格5,031名 論文合格1,372名(合格率8.5%)

平成19年 受験者18,220名 短答合格2,560名 論文合格2,695名(合格率14.8%)

                  短答免除3,760名

平成20年 受験者19,736名 短答合格2,709名 論文合格3,024名(合格率15.3%)

                  短答免除3,532名

平成21年 受験者20,327名 短答合格2,289名 論文合格1,916名(合格率9.4%)

                  短答免除2,956名

平成22年 受験者25,060名 短答合格2,396名 論文合格1,923名(合格率7.6%)

                  短答免除2,481名

平成23年 受験者22,773名 短答合格2,231名 論文合格1,447名(合格率6.4%)

                  短答免除1,899名

平成24年 受験者17,500名 短答合格1,274名 論文合格 ?名(合格率 ?%)

            (予想)  短答免除1,983名

平成17年までは,短答式の免除もなく,短答式は年1回で3,000名以上合格し,そのうち1/3程度が論文式試験に合格する試験でした。

これは,短答式はあくまで上位者を絞り込む目的であり,比較的合格が容易。

論文こそ決勝戦という位置づけでした。

そして,平成18年から短答式の2年間免除が導入され,合格者が急増しています。

この3,000名の合格者を輩出する計画において,社会人等の幅広い方が受けれるようにするというコンセプトがありました。

これからのグローバル社会において,監査法人以外の様々な分野で公認会計士が活躍してほしいという崇高な理念に基づく改革でした。

この改革自体は間違っていないとも思っています。

その結果,短答式の免除を除いても2,000名~3,000名の方が短答式に毎年追加で合格することになりました。

しかし,平成21年から未就職者問題が始まります。これは,リーマンショック等の外部要因に起因する部分も大きいですが,

内部統制特需の際に,一気に合格者を増やしすぎたという,計画性のなさが根本の原因であると思います。

そのため,内部統制特需が一服すると,人員過多になってしまい,平成21年以降監査法人が採用を極端に絞り込むという状況になりました。平成20年までは3,000名の合格者がほぼ全員監査法人に行っていた状況から想定すると,激変と言っていいと思います。

この結果,未就職者問題に対応するために,合格者を1,916名,1,923名,1,416名と減少させました。

それにも関わらず,監査法人の採用が合格者を大きく下回ったため,昨今問題になっている未就職者問題が生じたのです。

この3年の合格者に,制度変更の不備の弊害が直撃してしまいました。

そのため,今年は,1,200名程度まで減らすのではないでしょうか。

このレベルに来ると,完全に旧試験の合格者と同じようなレベルになります。

この合格者水準が数年続けば,最近数年騒がれていたような未就職者問題は収束していくでしょう。

また,5年後には,人手不足と言い出すかもしれません。(冗談ではなくて,まじめです)

ただ,この話は以前も書きましたので,多くを述べませんが,今の日本の価値観では未就職者問題を解消することが最優先であると思いますので,方向性としては現実的だと思います。

どちらの方針を取るにしても,メリットデメリットは両方ありますので,一概には言えませんが,一つ言えることは,しっかり方針を決め,変更しないで頂きたいということ。

仮に,今後合格者水準を1,200名程度まで下げ続けるのであれば,

短答式の免除規定もすべて無くすべきであると思います。

会計大学院も短答式合格者の2年間免除もなくさないと。

そこはセットで直さないと,論文式よりも短答式の方が難易度が高くなるというおかしな状況になりかねません。

ましてや,マークシートの試験では,合格率が低すぎることは,運の要素も入ってくるので,望ましくありません。

また,短答式試験の難易度が高くなればなるほど,重箱の隅をつつくような細かな規定まで覚えなければいけません。

ますます,知識詰込型の対策も必要になり,応用力や論理的思考力を要請する方向性からも逸脱する危険があります。

既に,まずは短答式に特化するような本末転倒なカリキュラムまで誕生している状況です。

また,国家試験であるからこそ,会計大学院の免除規定のような不公平な制度は廃止すべきです。

一私学や一企業は不公平があっても当事者の問題です。

しかし,国家試験でそのようなことはあってはいけないと。そういう状況を放置することは,国民の不平不満がたまるだけです。

今後2年間は変更できませんが,早急に,長期的な合格者の規模を決定し,それに見合った試験制度への変更をするべきであると思います。

ここで,長期的と言っているのは,今度の変更で当面の最終変更にするべきという強い意味を持っています。

国家試験をコロコロ変えるわけにはいきません。

受験生にその影響が直撃します。

また,監査法人側にも,要望があります。それは,人員採用を長期的なビジョンに基づいて行ってほしいということです。通常の一般企業と違い,必要な時に必要な人材を取るという発想ではなく,業界全体に優秀な人材が集まり,魅力のある,質の高い業界を一緒に創り上げるということを目指してほしいと思います。

試験制度,監査法人,そして継続的な人材育成方針,すべてが連動してこそ初めて,業界の発展,真の資本主義社会を担う人材が養われると思います。

そのためは,単年ごとの状況で採用人数を大きく変動させるような状況をなるべく生まないように,

長期的な人材採用や人材育成の方針を検討していただきたいと思います。

だからこそ,しっかりと議論をし,長期的な視点から決定してほしいと強く願います。

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