消費税の増税がほぼ決定的になりました。
個人的な見解としては,どちらかと言えば賛成派です。
最も回避しなくてはいけないリスクは,財政破綻であることを考えると,
大きな一歩を踏み出したなと思っています。
消費税導入から15年たっていますが,この間,景気は回復せず,借金は1,000兆円まで膨れ上がり,
今後10年,今のまま先送りすると,財政破綻リスクが本当に顕著化すると思っています。
消費税導入後の15年,多くの政治家が先送りしてきた,財政再建に対し,ひとつの決断を下した野田総理は,その点において,尊敬に値すると思っています。
正直,増税反対と言い,野田総理を批判する方が多いですが,野田首相本人としても,増税などしない方が,選挙等ではプラスであり,増税することで,個人的なメリットなど何もないと思います。
その辺,どこの党とは言いませんが,増税反対,社会福祉の充実と,どこから財源は来るのか意味不明な主張をしている方は,対案なき批判をしていればいいので,気楽だなと思います。
そんな意味不明な主張を続けていて,その通り実行したらそれこそ財政破綻してしまう。
確かに,増税前にやることもあります。
社会保障の一体改革,独立行政法人やそのファミリー企業等の無駄の削減,成長戦略の実現。
今回増税をしても,上記改革が進まなければ,無尽蔵の増税のサイクルに入る可能性があります。
しかし,増税をしないで,財政再建を達成する現実的な案は,現状ではないと思っています。
その上では,景気が回復してからという意見もわかりますが,いつ景気が回復するかもわからない中で,これ以上先送りするリスクも高いので,決断したことは素晴らしいなと思っています。
だからこそ,今後いかに,増税だけでなく,社会保障の一体改革や無駄の削減を並行して実施できるかにかかっていると思います。
ギリシャも4・5年前は,財政破綻するとは思われていませんでした。
市場の評価というものは急に変わります。
日本国債に対する信頼もいつ暴落してもおかしくないぐらいの状況が近付いてきています。
だからこそ,今回の増税は,デメリットもある中で,先にやることがある中でも,
一定の評価はしていいと感じています。
懸念は,今回消費税を増税することで,危機意識が薄れ,他の改革が先送りになることです。
また,中には,既得権益を維持し,無駄の削減をしたくないので増税賛成と言っている方もいます。
そのようなことを国民が認めてしまうと,将来的に消費税は30%にしなければいけないというような状況になる可能性もあり,経済はどんどん停滞していきます。
まずは,応急措置として増税し,プライマリーバランスを均衡に向かわせ,それと並行して,しっかりと各種改革を断行していくことが求められていると感じています。
今,自分が思うのは,政局や選挙を優先しているような政治家を認めないことだと思います。
今,日本は,国家的な大問題を抱えている時期です。
明治維新ぐらいの改革が起こる可能性があるし,必要なのかもしれません。
その時に,自己の保身を優先するような政治家・リーダーは必要ありません。
だからこそ,増税を反対するのであれば,どのように経済成長を達成し,社会保障の一体改革を行い,増税しなくても財政再建を行えるかという対案を示すべきだと思います。
増税はしない,給付は手厚くという,感情論だけの主張は,ほんとに勘弁してほしい。
そういう主張をする人は,選挙で票を獲得すること,政権を奪回することしか考えていないと思っています。
もう先送りは許されないのだからこそ,
増税しないなら,こうやって25兆支出を削減します,25兆円分経済成長しますという具体的な説明をすべきだと思います。
ということで,民主党を応援するわけでは全くないですが,
この件に関しては,野田さんはすごい決断をしたなと思っています。
今までの首相がすべて逃げてきた問題に,真正面から取り組んだのですから。
ただ,経済政策は本当に複雑に絡み合っているので,増税しなくても,財政再建できると唱えている識者の方も多くいます。
ただ,どちらが,確率が高く,確実に短期的にプライマリーバランスを均衡させれるかというと,
また,この10年,増税していない状態で,まったく進んでいないという事実も大切です。
消費税増税やむなしなのかなと思っています。
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