公認会計士制度の改革案!

公認会計士制度を将来どのようにしていくのか。

これは,司法制度,中央官僚等にも同じことが言える。

目標は,グローバル社会に対応できる,高度な専門知識と見識をもった,人材を育てることである。

① 詰込み型でなく,論理的思考力・応用力を有する人材

② 高度な専門知識

③ 人としての高い見識

④ IT,語学力・コミュニケーション能力

このようなものを備えている人材が育っていくことが大切だと思う。

そのため,最近の試験制度改革は,

多様なバックグラウンドの人が受けれるように,合格者を増やし,多くの免除規定を導入し,会計大学院等の高度な教育を行う必要性をうたっていた。

また,人数を増やすことで競争を促し,質の向上を高めることを目指していた。

しかし,一向にうまくいっていないし,ますます問題が増大している。

その理由を,リーマンショック等の不景気という原因や,企業側と合格者のミスマッチに押し付け,制度改正の不備であったと認めないところが一番の先送り原因になっている。

そもそも,論点を整理すると上記①~④の様な求められる能力を試験合格時に求めるのか,合格後の育成で求めるのかをはっきりさせるべきだと思う。

昨今の試験制度改正は,多種多様な人材が受けれるようにと,合格者の数を増やした。

別にこの改正が一概に悪いわけではない。アメリカ等はこのスタイルである。

ただ,人数を増やして,仕事をしながらの社会人も合格しやすくするのであれば,合格時の質の低下は必ずセットで起こる。

だからこそ,その場合には,合格後の補修所や事務所の研修で,高度な人材に育てる方策がセットで考えられなければいけない。

また,合格後に,競争が行われ,淘汰されることも必然である。

受かりやすくなるが,合格後を保証するわけではない。合格後も競争して当然という前提。

このような欧米式で行くなら,いくでいいのだが,

日本の問題は,

以前実務補修所や事務所の研修が質の高いものになっておらず,形式的なものであること。

少し,競争が起こり,未就職者問題が生じると,その批判の声だけが大きくなり,本来の趣旨が忘れられること。

また,安定志向の人が多いため,競争を好まない国民性もそれを後押ししている。

だからこそ,今の制度のまま行くのであれば,合格者を増加した水準で維持し,

実務補修所等は,自費で払っても行きたいと思わせる質を確保し,

事務所内でも,評価に大きな差をつけ,事後的に高度な人材を選別していく仕組みが必要ではないか。

そして,どの業界に行っても通用する人材,ほしがられる人材を増やすことなのだと思う。

合格者は増やし,合格時に質を維持するなどというのは,理論的に矛盾している。

合格時の専門知識のレベルは下がるので,いかにそれを合格後に補う仕組みを作るかだと思う。

それを,合格者の質が下がったと批判するのは,本末転倒である。

また,会計大学院等の免除規定も百害あって一利もない。

もし,本当に高度な教育をしているのであれば,それこそ,試験で合格率が高まるはずである。

しかし,現状は,会計大学院の学生もすべて,専門学校に通い,試験対策をしている。これでは,学習塾で補う,公立の学校となんら変わらない。

合格率もまったく高くない。それなのに,高度な教育が必要と言っていて,聞いていて本当に残念である。

しかも,学費が膨大にかかるため,裕福な家庭の人しか,その恩恵を受けれないという,既得権益化してしまう。

司法試験であっても,昔は,苦学生が努力さえすれば,合格できるからこそ優秀な人材を集めていたと思う。それが,一部の裕福な家庭からしか目指せないということは,優秀な人材を幅広く集めるという趣旨から,まったく逆に進んでいる。

こういう話をすると,大学院関係者は,今の試験が暗記詰込型であることが問題というが,本当に今の試験が暗記詰込型で乗り切れる難易度だと思っているのだろうか。20年前に比較して,試験範囲も倍以上に膨大になり,理解をしっかりしていなければ乗り切れる試験ではない。

また,もし仮に,百歩譲ってそうであれば,試験問題を改定すればいい話で,免除規定には結びつかない。

私は,今の試験問題のままでも十分,思考力を問えていると思うが。

誤解しないで頂きたいのは,

私は,試験合格者を増やしても,減らしてもどちらでもいいと思っている。

増やすのであれば,上記のような解決策を取ればいい。

そのうえで,旧試験制度に戻すのであれば,合格時の専門知識は高まるので,

あとは,合格後に,その他のIT,語学,人としての見識等を高めるような補修所や研修を,合格者がお金を自腹で払ってでも出たいという質のものを提供すればいい。

合格時になんでもできるスーパーマンである必要はない。

自分が合格した時を忘れ,今の若者にだけ,合格時にすべてを求めるのは酷である。

合格後に,成長していけばいい。合格時に必要なものは,何よりも専門知識である。

いくらコミュニケーション能力が高くても,医学の知識が乏しい医者に手術してほしくないのと同じである。

しかし,今は,合格後に育てる環境があまりない。

意識の本当に高い人が,自ら勝手に成長している状態。

現に,今の補修所や事務所研修に,自腹で払って出たいと思う人がいるだろうか。

交代制で講師を務め,わかりずらい教材,説明でほとんどの人が真面目に聞いていない状況の補修所こそ,大きな問題がある。

強制的に参加させれるからこそ,その部分の質に対する意識が弱くなってしまっている。

合格者が,一流の専門家に育つために,自ら参加して,学びたいというレベルの講義を提供することが大切。

その上で,幅広い経験も合格者に積ませる。MBAに留学させる,外部企業に本当の意味で出向させる。

ベンチャー企業やコンサルティング会社,VC,大企業などで経験を積ませる。

そういった仕組みを作れば,合格後に,様々な経験を積んだ高度な人材育成はできる。

今の問題の多くは,試験制度が問題なのではなく,合格後の会計士のキャリアプランが,監査法人に居座る前提で,努力をしなくても大丈夫な温室環境が原因であると思う。

その部分の意識を変えない限り,今後もどんなに試験制度を改正しても根本的な解決策にはならない。

今の代表社員クラスの方は,新会計基準にどれだけついていっているのか。

新会計基準をわからずして,不正を見抜けるのか。

もちろん,勤勉にしっかりとキャッチアップしている方も多くいる。

しかし,まったくキャッチアップしておらず,ゴルフと会食がメインになっている方も多いのではないか。

これは,医者でいえば,最新治療方法は一切知らないという,町のローカル医者レベルになっているという自覚が足りないのだと思う。

つまり,本当に高度な人材を育てるためには,

試験制度では無理である。あくまで,座学の試験では,高度な専門知識を有していることを判定する試験と割り切ったほうがいい。

そのうえで,合格後にいかに優秀で,多種多様な経験を積んだ人材を育てるかという施策を設けるべきだと思う。

そのためには,公認会計士協会,金融庁,4大監査法人の理事クラスの方々が,従来からの既得権益を守りながら改革するのではなく,本来あるべき業界としてのCSRに基づいて,意識改革するべきだと思う。

将来の公認会計士像をしっかりと話し合い,そのために,本当に必要な改革を行うべきだと。

これは,司法試験,中央官僚でも同じことが言えると。

法科大学院も廃止し,旧試験制度に戻すべきだと思います。

本当に,世界に通用する高度な人材を育てるためには,当事者全員が既存の延長線上で修正を図るのではなく,抜本的に意識を変え,そのための制度改革が求められていると思います。

(しっかりと研鑽を続けている士業の方,申し訳ありません。ただ,そういう方こそ,上記のような問題意識を共有していただけると思っています。)

改革が簡単ではないのは,どの業界も同じ。だからこそ,次世代が声をあげていかないと,なかなか変わらないので(笑)!

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コメント

  1. 三ツ星 より:

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    いつも素晴らしい記事ありがとうございます。特に今日の記事はよかったです。公認会計士制度だけではなく、昔から、日本は異常に既得権益にしがみつき、問題を小手先だけで解決しようとしてますね。国民性なのでしょうか。
    これからも内容の濃い記事楽しみにしてます。

  2. 国見健介 より:

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    >三ツ星さん
    コメントありがとうございます。
    とても励みになります!!
    そうですよね。既得権益体質は,戦後の高度成長期にうまくいったシステムだと思っています。色々な無駄があってもそれを上回る成長があり,増え続けるパイをうまく搾取していても成長できたのだと思っています。政官民のトライアングル体制も統制を取るという意味では,メリットがあります。ただ,バブル崩壊後は,そんな無駄を行っている余力はないにもかかわらず,過去の成功体験や,既存の利権体制を放棄してまで,改革を断行するリーダーがいないのかなと思っています。今日本が元気なのは,ITやアニメ等の従来は存在していなかった分野であり,既得権益団体がいないからこそ,成長しているという側面があると思います。

  3. 西田直也 より:

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    いつも楽しく拝見させて頂いてます。
    今現在(5月短答合格者除く)論文式試験受験する人は何名いるのですか?

  4. 国見健介 より:

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    >西田直也さん
    短答免除者1,984名
    12月短答合格者820名ですので,
    2,800名程度ですね。

  5. 西田直也 より:

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    ありがとうございます。
    引き継ぐき学習頑張ります。
    これからもブログを拝見させて頂きます。
    重ねまして、本当にありがとうございました。

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