感情と論理のバランス。
このバランスは,本当に難しい。
人は,感情で動くもの。
喜怒哀楽は常に人の心の状態を左右し,
最終的にどんなに論理的なものでも,感情には勝てないと思う。
だからこそ,人の心に届く,人の心に響くように伝えることが大切。
いくら自分の主張を唱えても,人の感情を動かせなければ,人を動かくことはできない。
そういう意味では,感情こそ大事と捉えることができる。
しかし,感情というのは,本当に危険な一面があると思う。
感情的になった上での判断は,往々にして,過ちを犯すことが多い。
だからこそ,本当に大切なことは,極力,論理的に考え,結論を出すべきだと思う。
数字的裏付けをしっかりと取り,論理的に組み立て,
これでもかというぐらい,理屈を考える。
そして,できれば,しばらく寝かせる。
寝かせることにより,感情を排除することが可能になる。
数日おいて,冷静になって考えて,どうなのかと。
人は,感情が優先され,合理的に動けない生き物だということを認識し,
できる限り,感情を排除し,論理的に考えることを意識しなければいけないのだと思う。
そのうえで,今の日本は,感情論で突き進もうとしている気がする点を危惧している。
原発問題,財政問題,社会保障問題
すべての問題で,それぞれの立場の人が,感情論のぶつけ合いをしている。
国家の将来を左右するような大切なことを感情論で進めてはいけないと思うのだが。
国民は,感情で動くものである。
政治家や既得権益者はこのことをほんとによく理解していると思う。
それを利用し,政治家や既得権益者が感情論に訴えているのを見ると,残念で仕方がない。
いかに自分たちの既得権益を守るように情報操作するか,感情論を建前で作り上げるかを考えているのではないかと思ってしまう。
本当の政治家は,民意を正しい方向に導くために,ビジョンを示し,そのための具体的・論理的な道筋を説明し,痛みを伴うことも明らかにし,そのうえで,国民に真意を問うべきだと。
消費税等の増税問題も,
軽減税率反対
軽減税率賛成
はただの感情論の域をでていない。
長期的に,財政再建を図りつつ,持続的な経済成長を行うプランを示し,
だからこそ,軽減税率反対,軽減税率賛成ならいいと思う。
しかし,現状の日本は,軽減税率のメリットデメリットという理屈ではなく、
目先の損得勘定という感情に訴えかけ、長期的な理屈にもほとんど触れない。
そして,多くの国民も感情論だけで,判断している気がする。
だから,日本はよく風が吹く。
政治家もいかに感情論に訴え,風を吹かせるかを考えている。
今の一時点の,感情論に基づき,国民の大多数が賛成しているからというのも危険である。
ナチスドイツも,太平洋戦争時の日本も,当時の国民は賛成していた。
感情論でコントロールされていた。
だから,何でもかんでも,民意がすべてというのも危険だと思う。
だからこそ,思うのは,感情論ではなく,冷静に,論理的に議論するべきだと思う。
財政状態を把握し,
増税する場合の将来ビジョン
増税しない場合の将来ビジョン
を明示し,どちらが,30年後の日本のためかということを議論すべきだと。
増税するかしないかを,感情論で議論するべきではなく,
どちらのビジョンがいいのかという中身の部分を議論するべきだと思う。
もちろん,ひとり一人に国民がそのようなことを調べることはできない。
政治家・官僚・シンクタンクの方々は,利権ではなく,日本のために,正確な数値を公表するべきである。
そして,国民は,感情論で判断してはいけないということを認識すること。
そして,誰の主張こそが,感情論ではなく,論理的に日本のための主張なのかを判断しようとする姿勢が大切だと思う。
いままでの,感情論に基づく,不毛なやり取りの繰り返しが,
失われた20年を生み出している一番大きな原因ではないか。
これからの20年も,この状態を変えず,失われた40年と言われないようにするために,
長期的な視点から,論理的に物事を判断することが求めれれている気がする。
そろそろいいかげん,政治家も国民も変わらなければいけない時期に来ていると思っています。