資格の受験勉強をしていると『理解』と『暗記』のバランスに悩むことが多い。
たしかに,最終的には暗記をしなければ点数を取ることは難しい。
しかし,その前提として理解をしっかりと行えていない場合,勉強の効率が非常に悪くなる。
理解するメリットは,
① 理解することにより,忘れづらくなるため,暗記する量が減少し,また反復回数を減らすことが可能になること
② 理解しているため,問題を解く際にミスが減ること
③ 初めて見る問題や応用問題に対する対応力が上昇すること
このように,理解することにはメリットが多くある。
なかなか成果が上がらない人は,この理解をおろそかにしている。
その原因は,以下の2つが代表的である。
1.大学受験の勉強方法の成功体験が邪魔をしている。
2.理解というものが抽象的で,理解の意味をしっかりと把握していない。
1.大学受験の勉強方法の成功体験が邪魔をしている。
これは,文系学部の人に多くあてはまるのだが,英語・歴史等の科目と実務的な科目は根本的に勉強方法が異なることを認識することが大切。
大学受験で多くの方が経験する英語や歴史は,正直暗記的要素の強い詰込み型の科目である。そのため,直前に詰込み乗り越えた成功体験を持っている方が多い。
しかし,実務的な科目は,論理的背景をしっかり押さえるというまったく別の作業が必要になる。
この論理的背景を押さえることが理解。
理解は,講義とその後の復習で一気に習得することが必要なのだが,大学受験の成功体験により,あとで何とか詰め込めばという誤解が大きな失敗を生む。
その結果,理解をおろそかにし,直前に詰め込むことでは対応不能に陥ってしまう。
2.理解というものが抽象的で,理解の意味をしっかりと把握していない。
では,理解とは何か。
これは,論点ごとに,論理的背景からしっかりと把握すること。
つまり,『自分の言葉で論点を説明できること』である。
そのため,以下の順序で理解することが必要。
① 全体像の論理的背景
② 各論点の論理的背景(全体像とのつながりを意識することが大切)
③ 各論点の具体的処理(問題の解き方)
この時に,どうしても③に意識がいってしまい,①・②が疎かになっていることが多い。
そのため,常に,全体像の論理的背景から考える習慣を大切にしてほしい。
そのためのおすすめの作業が,
① 他人に説明できるかを確認する(実際に説明しなくてはいいが,説明できるかを意識して復習する)
② 答案練習を受けることで,習得できているのかをチェックする
こと。
理解という言葉が,どうしても抽象的になってしまい,正しくとらえることが難しいからこそ,上記2つの作業を行い,確認するようにしてほしい。
一人でも多くの人が,正しい勉強方法により,効率的に成果を得れることを願っています!