勉強の成果は,質(やり方)と量(時間)の掛け算で決まる!
質と量を5段階(5が一番良い)に分けたとすると
15以上ぐらいを目指すといいと思う。
5×5 5×4 5×3 4×4 3×5 4×5 であれば,大抵合格できる。
では,どうやって質と量を判断すればいいのか?
ここが難しい。
私が学生の方によくする例え話を紹介する。
東京-大阪の距離が450㎞であったとする。
これを歩いて1カ月で到着するというミッションを与えられた。
その場合,1日15㎞で正しい方角に進めば,到達できる。
この時に,速度計と方位磁針を持っていき,毎日チェックしながら進むはずである。
この例は,質(方向)と量(スピード)が明確なので問題がない。
しかし,受験勉強や仕事になると質と量が明確にわからないので,悩むのである。
ではそこに対して,みなさんはどのように勉強すればいいのか。
まず,量であるが,最低3回は反復することが一般論としていえる。
これは,テキストの読み直し・問題集の解き直し・答練の解き直しを3回転することである。
人間の脳は,情報を受け取ると短期的記憶として一旦とらえる。
そして,生きていくために本当に必要な情報のみ長期的記憶として認識し,忘れないようにする。
逆を言うと,生きていくために本当に必要な情報以外は,忘れるようにできている。
日々,様々な情報が入ってくるため,必要な情報以外忘れていかないと,脳の容量がいっぱいになってしまうため。
そのため,最低3回は反復し,脳に『これは長期的記憶に入れてくださいとお願いする』ことが必要。
酔っ払いで千鳥足になっている人が,自宅には帰れるのは,自宅への帰宅ルートが長期的記憶にインプットされているためである(笑)。彼らは,どんなに記憶を失おうとも不思議と自宅に帰還している。
大抵,成果が上がらない人は,この量が足りていないことが多い。私の経験でも,成果が上がらない人の原因の80%程度は,この絶対的量の不足に起因している。
なぜなら,量をやっていて,結果が伴わなければ,質はどんどん改善される。
しかし,量が足りない場合には,いつまでたっても質の改善が進まないという状況になってしまう。
量が足りていない人は,1日5㎞や10㎞で進んでいるのに,大阪に1カ月で到着する気満々である。
明らかに到着できないにも関わらず,勉強では本当にこういう事態が多く起こっている。
次に,質(やり方)とは何か。
これは,正しい理解をし,問題を正確に解けるようにすること。これは,以下の3つのステップに分けられる。
1.論点を正しく理解する
これは,自分の言葉で説明できるようになることを意味している。難しい専門用語を使わずに,他人に説明できるかを想像してもらうといい。このステップをおろそかにしている人が多い。これは,講義後に,再度テキストをしっかり読み込み,理解できていないところを一切なくす作業をしなければならない。
2.知識を問題と有機的に結合させる
これは,問題を解く際の留意点までもしっかり理解することを意味している。最終的に問題を解くことが目的である以上,単に知識をしているだけではなく,どのような問題が出題されるかを意識し,実際に問題を解く際に,どこに注意し,どのように解くのかを抑え込む。
つまり,実戦を想定して練習することと同義である。
これをおろそかにしている人は,答えを見ればわかるが,なかなか答練で点数が取れないということになる。
3.各作業を行う意味の本質を考える
なぜテキストを読み込むのか,なぜ問題集を反復するのか。
この,一つ一つの作業を行う意味の本質をしっかりと考えて実施することが大切。
テキストは,正確な理解ができているかを確認するために読み,定期的に知識の漏れがないかどうか確認するために読み込むことが必要である。
また,問題集は,知識が問題と有機的に結合できているか確認するために解き,定期的に反復することでその力を強化させるために解きなおす。
このような本質を一切考えずに,闇雲に3回転しても効果はあまり得ることはできない。
これは,ゴルフでいえば,何も考えずに,素振りを繰り返すのと同じ。
しっかりと目的を考え,質の高い反復を繰り返さなければいけない。
そのため,テキストは何回転すればいいですか?個別問題集は何回転すればいいですかという質問は愚問である。一般論として最低3回転ということは伝えられるが,2回転でも上記のことを習得すればそれでいいし,3回転でも上記のことを習得できなければ5回転することが必要。
本質を考え,何をすべきか,どういう目的を持って取り組むべきかは,論点ごとに変えなければいけない。
質の話は,奥が非常に深いので,今後ともブログで様々な角度から説明していきたいと思う。
そして最後に,合格したいのであれば,答練を必ず受けること!
なぜなら,答練こそが唯一の中間チェックポイントだからである。
今のやり方や量で正しいのかを定期的にチェックしなければいけない。
『合格する方は,大部分が答練をすべて受ける』
答練を受けない方は,先ほどの大阪の例でいえば,1日歩いたのに,方位磁針を確認せずに,まあ,方向はあっているかなと思い,進むのと同じぐらい愚かである。
必ず,大阪に歩いているときは,方向があっているかを確認するはず。
しかし,こと勉強になると方位磁石を一切確認せず,新潟や仙台にひたすら向かっている人が多い。そして,本番が近づいて,あれ,長野県にいる,まったく大阪に着く気配がないことに気づいてしまう。
こうなると手遅れである。
だからこそ,まずは,答練を必ず受け,合格点を取ることを目指す。
取れなければ,今までのやり方や量を改善する必要性を実感できる。
合格者の全員が,はじめからすべてうまくいっていたわけではない。
みな,答練を受け,壁にぶつかり,改善し,成長していっただけである。
皆さんが,正しい勉強方法と正しい量を実践しすれば,確実に合格できます。
だからこそ,正しい勉強方法と正しい量を実践することを大切にしてほしいと思います!!
東京CPA会計学院の通信講座の申込や教材の購入は,CPAオンライン校から!!
公認会計士に関する勉強方法や合格後の各キャリアの魅力など,色々書いていますので,勉強中の方も,これから学習を検討している方も,
是非読んでもらえればと思います。