目的とは,最終的に達成したいこと。
手段とは,そのための方法論のこと。
この目的と手段の関係に対して,2つのことに気を付けたい。
1.いつのまにか,手段が目的にならないこと!
人や組織は,最初は,目的があり,そのための手段を考え,実行している。しかし,気が付くと,いつの間にか手段 が目的になってしまっている。
たとえば,受験勉強でよくあるのが,『問題集を3回やれと言われたので,やったけど成績が上がりません』ということ。これは,問題集を解くことは,理解を確かめ,解法を抑え,テストに対して,しっかりと対策をとることのはずである。
つまり,テストで点数を取るための手段のはずが,いつの間にか,問題集を3回解くことが目的になってしまっている。
問題集は,2回転でも上記の効果が得れればそれでいいし,3回転やってもまだしっかりとれないのであれば,5回転しなければいけない。
しっかりと,問題集を解く本質を考え,実行しなければいけない。
また,組織でも,上司の機嫌を取る,従来からこうやっているから,先輩からこういわれているから等は,手段が目的になっている典型例である。別に上司の機嫌を取ることが目的ではないはずだし,従来からのやり方を守ることが目的ではない。
いかに組織の目的を達成するかという視点から考えなければいけない。
営業等で,成果が上がらない時に,とりあえず,倍の件数訪問しろというのも,訪問件数自体が目的になってしまっている。
人は,かなり強く意識をしないと,手段が目的になってしまう。
手段が目的になってしまった場合には,いくら頑張っても成果が上がらない。
2.手段は無限にある!
手段は,無限にあるにもかかわらず,数回試してみて,成果が出なければ,あきらめてしまうことが多い。
成果が出ていないのは,手段が悪いか,頑張っていないかのどちらかの可能性が高い。
目的は不変でも,手段はどんどん改善・工夫しなければいけない。
エジソンは,何千回失敗をしても,『私は1度も失敗していない。今までの何千回の手段ではいけないということに気が付いただけ』という旨の言葉を残している。
これは,非常に大切だと思う。目的から落とし込み,もっとどうすれば,どう改善すれば,いいのかを考える。
思考が停止してしまいあきらめてしまわないようにしたい。
人は,イメージできたことは実現できる力を持っているのだから。
手段を目的にしない!
手段は無限にある!
この2つを大切にしたい。