公認会計士のファーストキャリアの選び方(監査法人かその他の企業か)

  公認会計士試験の合格発表が1週間後に迫ってきていますね。

  今年論文式試験を受けられた方は,落ち着かない時期に来ていると思います。

  その中で,ファーストキャリアとして,監査法人に行くのかその他の道に行くのかを多少なりとも悩んでいる方もいると思います。

 

  そのため,今日は,公認会計士としてのキャリアを考えた場合にファーストキャリアの選び方について,監査法人にするべきか,事業会社にするべきかについて,自分なりの見解を述べて行きます。

 

  公認会計士の業務範囲は非常に広い。監査・税務・ファイナンシャルアドバイザリー業務・株式公開支援業務などは,監査法人またはそのグループ企業で行うことができます。しかし,各種金融機関での専門的業務・戦略系のコンサルティング業務・事業会社でのCFOなど,公認会計士の知識を活かした,他のキャリアという選択肢も多いのが現状です。

 そのため,公認会計士を目指した動機自体が,監査法人での業務ではなく,その他のキャリアだったという人も少なくないのではないでしょうか。そのような人は,合格後に,いったん監査法人に就職するか,いきなり他の企業に就職するか悩むことがあると思います。

 

 ここで,キャリアに唯一絶対の正解などないと理解してほしいと思います。なぜなら,どの選択肢を選ぼうとも,その道で結果を出せば正解になりうるし,結果を出せなければ正解ではなかったとなってしまう可能性があります。そのような前提の上で,自分なりの意見を述べます。

 

 まずは,監査法人に入所することを強く進めたいと思っていますし,相談された場合には,強く勧めています。
そして,公認会計士として一人前(3年から5年経過後)になった後で,監査法人に残るのか,他の道へ転職していくのかを決めるのがお勧めだと考えています。

 

 その理由はいくつかあります。

 1つ目が,社会を知らない状態で将来のキャリアを決めるのは難しいこと。公認会計士の数ある業務の中で,将来的に,どの業務に自分が心からやりがいを感じるのか。どの業務でこそ,自分の強みが最大限発揮されるのかなど,社会人経験を経ていない段階で判断するのは難しい。だからこそ,監査法人で様々な業界を知り,様々なキャリアの実情を理解したうえで,セカンドキャリアを考える方が,正しい選択を行いやすい。

 

 2つ目が,市場での価値が高まるということ。社会に出れば,どのような価値を会社に提供できるかが,市場での皆さんの価値になる。そのために,どのような武器を手に入れているかが問われる。

 そして,周りの人があまり手にしていない武器,つまり,多くの人が提供できない価値を提供できる人ほど,市場での価値は高く評価される。

 ようは,如何にレアで強力な武器を手に入れるかということである。将来,金融業界に進みたい,コンサルティング業界に進みたい,ベンチャー企業に進みたいと思っていても,公認会計士としての様々な武器を持ってから飛び込んだ方が,その業界でレアな存在になれる。たとえば,財務や税務に関して,公認会計士レベルまで習得しているコンサルタントや金融マン・ベンチャー経営者は少ない。だからこそ,他の人が持っていない武器を手に入れてから転職したほうが価値が高くなる。

 

 3つ目は,そんなに焦る必要がないこと。

 社会人生活は,40年間もある。だからこそ,20代の数年間を焦りすぎる必要はない。社会人成りたての頃は,入社5年目と入社2年目の3年間のキャリアの差はとてつもなく大きい。でも,入社20年目と入社17年目の3年間のキャリアの差はほとんど無いに等しい。

 なので,キャリアの年数の差ではない別の経験をしておく意味は大きい。だからこそ,せっかく公認会計士試験を合格したからには,公認会計士として一人前の経験を積んでから,次のステップに進んだ方が,20年後を考えた時に,プラスは大きいと思う。

 

 4つ目は,監査法人でのキャリアが相当魅
力的であること。公認会計士の仕事は,基本的に日本経済の縁の下の力持ちのような支援業務である。さらに,クリエイティブさを強く求められるかと言えば,そうではない。そこに不満を持つ人も多いかもしれません。

 しかし,社会全体に対する業務の重要性・やりがい・安定性・収入面共に,通常の一般企業に比べ,監査法人は相当魅力的であり,まだ経験もしていないイメージだけで,また,ちょっと公認会計士の仕事に触れた程度では,監査法人の魅力も十分に理解できていない可能性が高い。

 よって,まずは,監査法人で公認会計士としてのスキルを身に付ける。監査の醍醐味・重要性を十二分に理解してから,判断してもいいのではないでしょうか。

 ただし,監査法人に入所して,なんとなく監査を数年間やっていただけでは,監査のスキルだけが身に付き,その他の正解で求められるスキルはあまり身につかない可能性が高くなってしまいます。それこそ,監査しかできない公認会計士になってしまい,結果としてキャリアの選択肢を狭めてしまう可能性もある。そうなってしまうと,監査法人での経験が,他の事業会社に転職した場合には,あまりプラスにならない可能性が高い。だからこそ,監査を通じて,監査のスキルのみならず,様々なビジネススキルの習得を意識してほしいと思います。さらに,様々なビジネスへの理解や,業界に対する理解を深める。企業の業務の流れを理解するなど,様々な能力を養ってもらいたいです。

 それが,最終的に他の分野に進んだとしても自分を支えてくれる力になる。また,監査法人で生涯在籍する場合にも,より質の高い監査人になる,監査法人のマネジメントを担う力にもなるはずです。

 

 そのため,最初の3年間は,どんな仕事でも引き受け,その仕事に全力で取り組み,同期で一番成長するぐらいの気概で臨んでもらいたい。

 

 そして,上記内容を読んでもなお,自分のファーストキャリアは,監査法人ではないと強く想える人には,思い切って監査法人以外に飛び込んでもらいたいと思います。コンサルでも,金融でも,ベンチャーでも。やりたい分野に最初からいってほしい。

 

 そのぐらいの強い想いと覚悟があれば,自分の信じる道で成功できると思う。逆に,悩んでしまうのであれば,その道の困難に直面するたびに,監査法人に行っておけばよかったかなという気持ちが出て来てしまう可能性がある。そのような気持ちでは,どの道に行っても成功する可能性は低くなってしまう気がします。

 結局,最も大事なことは,どの道でもやり切り,そこで得られる経験やノウハウをしっかり吸収しきれば,その道のプロになり,活躍できる。逆に,どの道でも中途半端に受け身で仕事をしていて,その道で2流・3流で止まってしまうのであれば,公開することになるのではないでしょうか。

 長い社会人生活なので,どの道に進んでも,最初の数年間で大きく成長すれば,今後のキャリアの土台を支えてくれる武器を手に入れることができるはずです。

公認会計士という武器に,さらに磨きをかけるために,しっかり決断し,決断したのであれば,その道をまずは極める覚悟で臨んでほしいと考えています。

皆さんのキャリア選択に少しでも参考になればと思います。何か,相談がある方は,遠慮なく,相談してくださいね。


まずは,みなさんの合格を心より願っています。

 11月14日の合格祝賀会で会いましょう!!

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