教育とはなんだろうか。この定義について,考えてみたい。
私は,一言でいうと,『人を育てること』だと思っている。
これは何も学校で先生が行うものだけではない。家族・友人・職場すべての関わる人に対して,成長するための何かを提供することだと思う。
そのために提供するものは,気づき,専門知識・考え方・方法論・人間力等本当に多岐にわたっている。
すべての場面が教育現場であり,一人ひとりが学ぶ意識・教える意識を持ち,かつ一人ひとりがお互いを成長させようという意識を持てば,いつでもどこでも,最高の教育現場になるのではないか。
また,その人その人のレベルに合わせ,内容も変わると思っている。
最終目標が100の時に,まず最終目標が100であることを伝えることは大切だと思う。
しかし,今10の人に対して伝えることは11になるために必要なことであり,20の人に対して伝えることは21になるために必要なことである。
ここに教育の落とし穴があると思っている。
教える側は,すべての人に対して,この100段の階段を一段ずつ確実に上るために,何が必要かを伝えていかなければいけない。
ここで,相手のレベルを考えずに,毎回画一的に同じアドバイスを行ってしまっているのではないか。
また,学ぶ側も,多くの人がいきなり何段も越えようとして,うまくいかず,悩んでいたりするのではないかと思う。
人は一段ずつしか登れない。しかし,着実に一段ずつ登り続けた人がとてつもないところまで成長するのである。
だからこそ,一段ずつ登っていく大切さ,その積み重ねで成長していくことを教える側は伝えなければいけない。また,その人が次の一段を上るために最善のことを伝えなくてはいけない。
この見極めこそが,教育の本質な気がしている。
すべての人が,ある時は教える側,ある時は教わる側になる。
だからこそ,この教育の本質を見極める力を養うことが,すべての人にとって,大切なことだと思う。