
本日は、平成27年度の公認会計士試験の合格発表が行われました。 合格されたみなさん、本当におめでとうございます!
心から、お祝い申し上げます。
皆さんの努力が実った結果ですので、自分自身を心から褒めてあげてほしいと思います。
今日は、各学校さん主催の合格祝賀会に参加する方も多いと思います。
家族・勉強仲間・講師などと、心から合格の喜びを分かち合ってください。
今日ぐらいは、羽目を外していいと思います(外し過ぎて、警察だけには連行されないでくださいww)
以下では、本年度の試験概要と、今後の試験制度の推移を観ていきたいと思います。
1.平成27年度の公認会計士試験の概要
平成27年の公認会計士試験概要は、
願書提出者 10,180名
合格者 1,051名
合格率 10.3%
合格者の平均年齢 27.1歳
となっています。
2.過去13年間の公認会計士試験の概要
過去13年間の推移は、以下の通りです。
上記表からもわかるように、2005年までは、毎年15,000名程度の受験者数に対して、合格者が1,200名から1,400名程度、合格率も8%~9%程度で安定していました。しかし、業界全体の人手不足から、2006年から試験制度を変更し、試験に合格する難易度を下げ、合格者を大量に輩出することで、様々な分野で公認会計士が活躍することを目指しました。
その結果、従来の3倍もの合格者を出し、合格しても事務所に就職できない未就職者問題が発生しました。
その結果、試験制度への不平不満が増大し、受験生が大幅に減少したため、2011年からは合格者を元の水準近くまで戻しました。しかし、2011年や2012年は、合格率が6%台になるなど、例年よりも難易度が高まったため、受験生離れが一層進みました。
現在では、難易度も回復し、合格者数も混乱前の水準に落ち着いてきていますので、今後は、安定した試験制度が運用されるものと予想されます。
3.就職状況について
現在の就職状況は、2005年以前と同様に、完全な売り手市場になっており、合格者の大部分が4大監査法人の複数から内定をもらえるような状態に戻っています。
しかし、昨今でも、業界に詳しくない方にとっては、2006年から2011年あたりまでの未就職者問題のイメージが強く、公認会計士は就職難という認識を持っている方も多くいらっしゃると思いますが、現在は完全に就職状況は改善しているのが現状です。
また、今後は、農協監査・社会福祉法人監査から、医療法人などまで、情報公開社会に応じて、どんどん監査の範囲が広がっていきますので、人手不足は当分の間続くと予想されています。
ITで会計事務所職員や、経理職員が大幅に減っているという情報もありますが、単純な記帳業務においては当てはまるのですが、公認会計士の監査業務・アドバイザリー業務などは、高度な判断が必要ですので、ITで実施できるというのは、実務を知らない方の誤解であると思います。
そのため、今後中長期的にも、合格者が安定的に推移することを前提にすれば、就職状況は安定していくことが予想されますので、ご安心ください。
4.今後の合格者数の推移と受験者数の推移について
現在、業界全体でとても人手不足なのですが、今回の公認会計士試験に置いて、合格者を減少させました。それでも、受験者の減少比率よりは合格者の減少比率を押え、1,000名以上は合格させるという意思を、今回の合格発表は示していると思います。
しかし、合格率をこれ以上高めてまで合格者を増やさないという意思も感じますので、今後は、合格率が10%前後の中で、受験者数に応じて合格者が推移していくものと思われます。
では、今後の受験者数はどうなるのでしょうか。昨年の秋以降は、未就職者問題が解消したこともあり、新規に公認会計士を目指す方が大きく増加しています。
そのため、平成28年度の試験では受験者数は横ばい程度であると思いますが、平成29年度の試験からは、徐々に増加に転じると予想します。
そのため、今後数年かけて、受験者が15,000名程度、合格者は、1,200名から1,500名程度を目指していくのではないでしょうか。
よって、現在公認会計士を学習している方は、あと数年は合格率が10%を超える非常にチャンスの時期だと思います。また、今後は安定的な試験制度の運用が予想されますので、就職状況も数年は完全な売り手市場が続くのではないでしょうか。
最後に、社会人生活は50年以上と本当に長いです。
公認会計士に合格することは簡単ではないですが、定年等も実質的にはなく、一生涯収入を稼げる公認会計士の魅力は、合格に費やす時間以上の価値がありますので、今学習中の方は、是非あきらめずに合格を勝ち取ってほしいと思います。