本日11月27日に、公認会計士監査審査会から、平成27年12月公認会計士短答式本試験の出願状況が公表されました。
願書提出者数は、7030名と昨年の7,207名から若干の減少となっています。足元で学習を開始する方は増加しているので、もしかしたら微増するかと思いましたが、微減という結果でした。
今日は、今後の公認会計士試験の分析をしてみたいと思います。
1.過去の公認会計士試験の状況
まず、過去の公認会計士試験の論文式試験の推移と短答式試験の推移は以下の図のようになっています。
上記表からは、2003年までは毎年15,000名程度の受験者で1,000名~1,300名程度が合格し、人手不足な状況であったため、2006年から2010年にかけて如何に大量の合格者を出していたかがわかると思います。
またその結果、2012年の短答式試験が異様な難易度になっていることもわかります。
その上で、近年は合格者を1,000名から1,200名程度に安定させており、今後も1,000名から1,500名程度の合格者を輩出する安定運営が想定されます。
2.就職状況
現在は、2007年から2010年程度の大量合格時代における未就職者問題から受験生が激減した影響(当時の20,000人以上の受験者が異常で、元の水準に戻った元言えるのですが)で、受験生が10,000人強まで減った結果、合格者も1,000名強に落ち着いています。
そのため、どの事務所も人手不足で、合格者よりも求人数が上回る状況です。
この傾向は、合格者を1,500名以上に増やしたりしない限りは、継続する傾向だと思いますので、今から受験する方は就職状況については安心してほしいと思います。
3.今年度の本試験について
2015年の論文式合格者が、これだけの人手不足の現状でも微減させたことから、金融庁は合格率をこれ以上あげてまで合格者を増やしたくないという判断をしていると予想されます。
そのため、今年の受験者は、ほぼ横ばいですので、今年の論文式合格者も1,000名から1,050名程度になるものと予想できます。
そのため、今年の短答式合格者数は、1,600名から1,650名程度にして、昨年と同程度の論文式受験者を確保するのではないでしょうか。
その結果、上記図に赤字で示したような短答式合格者数と合格率が予想されますので、相当チャンスな状況になっていると言えます。
4.これから5年間の試験状況の予想
足元では、新規で学習を開始する学生が大幅に増加しています。そのため、来年の5月の受験者から微増が予想され、5年程度かけて受験者が15,000名程度に増加していくと思います。
その結果、合格者は1,200名から1,500名、合格率が8%~10%程度に落ち着くのではないでしょうか。
昨年や今年の様に合格率が10%を超え続けるのは、後1・2年と思いますが、ほぼ難易度も変わらない5年間が続くと思います。
本来、国家試験はこのような安定運営が行われて当然と言えば当然ですが、今後は合格率・就職状況共に安定して推移していくと思いますので、現在学習中の方は安心して学習に専念してほしいと思います。
論文式試験の採点問題については、年内にはもう少し詳しい情報をブログで報告いたします。
短答式本試験が直前に迫ってきていますので、体調には気を付けて、ラストスパート頑張って行きましょう!!