公認会計士試験 論文式成績通知書における得点比率について③ 結論!

公認会計士試験の論文式試験での得点比率についての続きの情報を説明していきます。

 

何が起こったのかは、以下の二つのブログを参照してください。

 

『公認会計士試験 論文式成績通知書における得点比率について!』

https://cpakunimi.com/message-20151115.html

『公認会計士試験 論文式成績通知書における得点比率について!その②』

https://cpakunimi.com/message-20151116-2.html

 

まず、本試験発表から1か月余りが過ぎ、自分なりに各方面からできる限り情報を集めました。

微力ながら、自分がやれることは全部やったと思っています。

 

しかし、結果としては、大変申し訳ないのですが、

追加で合格者が出るという可能性は、ほぼゼロであるという結論に達しました。

(あくまでこれは個人的な感覚です)

 

上記のような結論に至った背景について、書ける内容・書けない内容があることを理解していただいたうえで、自分なりの発信できる内容を説明していきます。

 

1.公認会計士試験における得点比率について

監査審査会のWEBサイトには、得点比率の算定式が以下の様に示されています。

http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/qanda/data/07.pdf

これについては、加重平均された偏差値という認識が一般的になされているのではないかと思います。

そのため、論文式試験の得点比率=偏差値という認識が受験生の方が捉えている採点方法になりますし、各専門学校の論文式模擬試験等の採点も上記計算式に基づき、得点比率を算定しているのが現状です。

偏差値という概念からは、今回の会計学第5問の得点比率ゼロが多く出ていること、企業法の第1問について得点比率が7から13が何十人も発生していることは、おかしいというのがそもそもの問題提起でした。

 

 

2.想定される採点方法について

基本的には、試験員の先生ごとに素点を採点し、その先生の中で得点比率(偏差値)を算定しているはずです。そして、同一の答案を複数の試験委員の先生が採点しており、その平均を取っていると推測されます。

そのため、採点が厳しい試験委員の先生と、採点が甘い試験委員の先生がいたとしても、その先生内の偏差値により算定されるので不公平が生じないように配慮されていると言えます。

 

公認会計士試験では、得点比率の算定方法は開示されていますが、司法試験の様に、試験委員の先生がどのように採点しました。こういう答案はだめです等のコメントが発表されないので、どのような採点基準で採点が行われたのかは明らかになっていません。

間接的な情報ですが、採点方法は各試験委員の先生に完全に任せられているという情報もあります。

そのため、最初に結論が間違っていればゼロ点をつける試験委員の先生と、結論は間違っていても文書のロジックがある程度組み立てられていれば、部分点を多くくれる試験委員の先生がいたとしても不思議ではないかもしれません。

上記の様に、採点方法が試験委員の先生ごとにバラバラであるために、今回のような疑義が生じている可能性も否定できません。

 

また、公表されている採点基準からは偏差値で採点が行われていると認識していましたが、素点ゼロが得点比率ゼロになっている事案を勘案すると、偏差値に対して、何かしらの調整が行われているために偏差値では想定しづらい得点比率になっている可能性もあります。

 

3.会計学第5問における得点比率ゼロについて

従来の認識では、得点比率ゼロは、偏差値という概念上、採点除外という認識が一般的でした。採点除外の事例としては,シールの貼り忘れ、欄外に解答を記入してしまったなどを想定しています。

しかし,今回、会計学第5問について、得点比率ゼロが多数発生していたことから、もしかしたら採点除外だけが得点比率ゼロとなっているわけではないのではないかと考えました。実際に、開示された成績を確認すると、素点がゼロの場合には得点比率もゼロになっています。

そのため、採点除外以外にも、素点がゼロの方が多くいたというのが事実な気もします。

 

4.企業法第1問における得点比率7から13について

偏差値の考え方からすると、得点比率が7から13の方が多数いるという状況は、複数の試験員の先生が採点していることからも確率論的にほぼあり得ません。そのため、得点比率は偏差値に何らかの調整が加わっていることが予想されます。

 

また、答案の出来と実際の素点も比例していないと感じている学生も多数いるので、採点した試験委員の先生によって、こんなにも点数にばらつきがあるのかという感覚を持っています。

 

5.上記内容から感じる所感

新試験制度が導入されてから、今回の様に疑義のある成績が多数報告されたことは、記憶にありませんでした。ただ、その上で、過去にも得点比率がゼロ、得点比率が異常に低い成績はあったのは事実です。

そのため、当初は私も何かのミスの可能性が高いと思っていましたが、色々な情報を集めるにつれ、採点方法にいくつか大きな課題はありますが、ミスではない可能性が高いと感じています。

 

そのため、今回の結論が覆る可能性がほぼゼロであるという結論に達しました。

 

その上で、仮に、今回何かミスが生じていたのであれば、今後絶対に再発しないようにしてほしい。

また、得点比率の算定方法を偏差値として公表している以上、現時点では得点比率=偏差値と言えるため、素点ゼロが得点比率ゼロになっていることや何かしらの得点比率の調整が行われているのであれば、その旨も公表すべきでないか。

試験委員の先生によって、ここまで採点結果が異なることは問題なので、司法試験の様に採点の方針のようなものはしっかりと明示すべきではないか。

と強く感じます。

 

もちろん、国家試験の採点方法についてどこまで明示すべきかという問題もあります。公認会計士試験は他の国家資格に比較してかなり情報開示が進んでいる国家試験であることは事実であり、その点は素晴らしいと思います。

しかし、開示するからには、より望ましいルール策定をしないと、今回の様に、かえって疑義が生じてしまう恐れがあります。

そのため、現在の採点方法には、課題があるのは間違いないと思っていますので、今後疑義が生じない対策は必要と言えます。

 

受験生の方は人生を懸けて公認会計士試験を受けています。そこをご理解いただき、より良い採点方法の確立に向けて、できる対策は可能な限り行っていただきたいと強く思います。

 

また、今回多くの受験生をはじめ、専門学校の講師の多くもこれはおかしいと感じたという事実を重く受け止めていただき、改善できる部分は必ず改善していただくことが、より良い試験制度の確立、ひいては、より良い業界の発展にとても大切だと思います。

 

6.受験生の皆さんができること

今回、何かしらのミスが生じている場合には、再発をしないように徹底的に対策が講じられると思いますので、今回は納得ができない部分もあると思いますが、来年以降このようなことは生じないと考えて切り替えてほしいと思います。

 

また、採点方法に課題があるとした場合ですが、これは過去の論文式試験ではほとんど起こっていない事象です。私の教え子でも、普段成績が取れている方が、本試験でこのような低い得点比率になったという記憶はありません。そのため、今回の企業法の問題がそのような課題が生じやすい問題で、かつ、その課題をより加速させてしまうような採点方法を行った試験委員の先生がいたという要素が重なり合った結果だと感じています。

そうであるならば、多少の不安は残りますが、過去にもこのような極端な事例は生じていないことを信じて、実力を高めることに専念してほしいと思います。

 

今回のことは例外で、公認会計士試験は実力がしっかりと反映される試験でありましたし、今後もそうであることを祈っています。

 

最後に、色々期待をさせてしまったうえに、力不足で何もできず、大変申し訳ありません。

該当者の皆さんには、深くお詫び致します。

 

是非、来年の合格に向かって、気持ちを切り替え、頑張ってほしいと思っています。

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