本日、1月12日に公認会計士試験12月の短答式本試験の結果が発表されました。
願書提出者数 7,030人
受験者数 5,479人
合格者数 863人
合格点 67%
という結果になりました。
合格されたみなさん、本当におめでとうございます!
また、監査審査会から、出題範囲の一部改正が公表されています。
上記結果から、
1.今後の展望について
2.今回の難易度について
3.試験範囲の変更について
4.8月の論文に向けて
5.5月の短答に向けて
について、色々所感を述べていきたいと思います。
1.今後の展望について
公認会計士試験の受験者数は、今年は昨年度と横ばい、来年以降は徐々に増加していくことが予想されます。そのため、本年も昨年と同様レベルの論文受験者とすることが予想されます。
中長期的には、公認会計士の合格者は、1,200名から1,500名で推移することが望ましいと考えています。受験者は15,000名程度で、合格率は8%~10%程度に落ち着くと考えています。
そのため、5月の短答式試験では、600名から650名程度の合格者を出す可能性が高いと思いますので、合格率も比較的高い水準が維持されるのではないでしょうか。また、受験者数が今後徐々に増加すると言っても、今後1・2年は大きくは増加しないと思いますので、合格率から見ても絶好のチャンスだと思います。
さらに、監査法人の需給バランスは、今後数年間は完全な売り手市場が続くと思いますので、合格後は、ほとんどの方が、大手監査法人に就職可能と思われます。その点も安心して学習してほしいと思います。
参考までに、過去の短答式試験の推移をまとめておきます。
2.今回の難易度について
今回は、合格点が67%という結果になりました。平均点または科目別平均点は下記の通りです。
全体平均点 47.7%
科目別平均点
財務会計論 49.9%
管理会計論 45.9%
監査論 46.4%
企業法 47.4%
受験生が論文合わせて10,000人強、12月短答の願書提出者が7030人であったことを勘案し、過去の一般的な、論文合わせて15,000名、12月短答の願書提出者が10,000人強であれば、合格点は70%程度になっていたと考えられます。
そのため、難易度が優しかったという意見もあると思いますが、ごくごく平均的な難易度であったと理解してもらえればと思います。
そのため、科目ごとの合格点も
財務会計論 140点
管理会計論 65点
監査論 65点
企業法 70点
合計 340点
程度と言えるのではないでしょうか。もちろん、80%を目指すのであれば、
財務会計論 160点
管理会計論 80点
監査論 80点
企業法 80点
等が理想ラインになります。
正しい学習計画を立案するためには、可能な限り理想ラインに到達する学習を行いつつ、実際の合格ラインも正確に把握しておいてほしいと思います。
今年は、合格ボーダーを66%~68%で、本命67%と予想していたので、ぴったり当たって一安心です。ただ、合格ボーダーは、試験の翌日に最初の発表をしているので、多少ずれてしまう年もあるのが事実です。
その上で、まだ情報が少ない試験翌日の段階で、ある程度の正しい方向性を示すことがより大切と思い、毎年ボーダーを公表していますので、その辺はご理解ください。
個人的には、受験生一人ひとりが、正しい情報に基づき意思決定できることがとても重要だと思っています。また、教える講師側の立場としては、試験の難易度とボーダーを正確に予想できることは、本試験の合格レベルと、受講生のレベルを正確に把握していることの裏返しであり、日々の学習のアドバイスにおいて、目標点数とそれに達するための適切にアドバイスするためのベースの感覚だと思っています。
そのため、今後も、皆さんに役立つ情報を提供するためにも、教育者として正しい感覚を研ぎ澄ますためにも、できる限り正確なボーダー予想を発信していくように努めますが、外してしまう年もありますので、その辺は、ご勘弁くださいね。
3.試験範囲の変更について
本日付で、平成28年5月短答式、8月論文式の出題範囲が若干修正されています。
財務会計論では、修正国際基準が追加。
企業法は、商法の出題範囲が明確化。
租税法は、平成29年度(28年は除外)から組織再編成に関する税制が試験範囲に追加。
経営学はリスク管理などが追加
となっています。
詳細は、下記の監査審査会のWEBサイトを参照ください。
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/hani28-b/02.pdf
財務会計論については、以前から国際会計基準なども一部含まれていましたが、国際会計基準の出題は限定的になっていますので、修正国際基準が追加されたことにより、大きな影響はないと思います。
最低限の対策は財務理論の中で対応していくことになりますので、ご安心ください。
企業法は出題範囲が明確になっただけで、実質的に変更はありません。
租税法と経営学の範囲の追加は、改正論点講義なので、対応していくことになると思います。
租税法は、今年の試験には関係ありませんので、ご注意ください。
4.8月の論文に向けて
12月の短答式本試験に合格されたみなさんは、本当におめでとうございます!!
残り8ヶ月間、ベストを尽くし、是非、8月の論文式試験の合格を勝ち取ってほしいと思います。
また、8月の論文合格者数は、基本的には1,000名から1,100名程度が想定されます。さらに、上述したように就職状況も絶好の売手市場ですので、安心してほしいと思います。
ただ、論文合格率という意味で言えば、
12月短答合格者>短答免除者>5月短答受験者であるという事実もありますが、短答に合格したことで安堵するのではなく、絶対に合格するという気合を持って取り組んでもらいたいと思います。
5.5月の短答に向けて
平成26年度の試験は短答合格者が1,403人(12月1,003人、5月402人)
平成27年度の試験は短答合格者が1,507人(12月 883人、5月624人)
平成28年度の試験は12月が863人
となりました。
短答合格者は1,500名程度になると思いますので、12月863名程度、5月600名から650名程度合格させるのではないでしょうか。
実質合格率(受験者に対する合格率)は、12月と5月合わせて、30%を超えてくる可能性がありますので、チャンスであることは間違いないと思います。
12月の短答で残念な結果だった方も、8月の論文の合格することこそが目的にはずです。でしたが、5月・8月と合格するために、気持ちを切り替え、原因分析をしっかりと行い、目の前のやるべきことに集中してほしいと思います。
合格を信じて、自分の可能性を信じて、頑張って行きましょう!!