5月の短答式を受ける方から、
5月の短答を合格し、8月の論文を合格するために何が大切ですか。
いつの時期から短答式に特化した方がいいですかという質問を良く受けています。
同じ疑問を持っている方も多いと思いますので、今回は、このテーマについて書いてみたいと思います。
1.論文対策について
まず、論文式特有の対策として、
租税法の学習
選択科目の学習
短答理論科目の論文対策
簿記の総合問題対策
が挙げられると思います。
この時に、どこまで短答前に論文対策を取るかは、5月の合格の可能性を徹底的に高めるという目標と、8月の論文合格の可能性を徹底的に高めるという目標が相反していますので、一人ひとりの本音としてどちらを優先するのかということに依存しており、一概には言えません。
CPAの生徒さんでも、租税の講義は半分ぐらいまで進めている方もいれば、すべて短答後に回している方もいます。
その上で、一つ大切にしてほしいことが、理論科目の理解を強化するということは、実は論文対策に大きく役立つという視点です。理論科目の理解は短答の得点に活きるのみならず、論文の対策を効率的にしてくれます。
そのため、5月の合格の可能性を高めると同時に、8月の論文合格の可能性を高めるためには、理論科目の理解を重視することがお薦めです。
それプラスアルファで、租税や選択科目の学習をどこまで進めるのかの選択になります。
2.短答科目の特化の時期について
ただ、これからの時期は短答科目に特化した方がお勧めですので、租税や選択科目を進めるとしても、それは3月までの時期にできる限りというのが一般的ですので、今からの時期は、理論科目の理解に時間を費やしてほしいと思います。
4月中は、理論科目の理解の強化も意識しつつ、5月に入ったら、ひたすら反復して定着に特化してほしいと思います。
不安な気持ちもあると思いますが、理論科目の理解が論文対策にもなっているという気持ちを大切にしてほしいと思います。
3.5月・8月に合格するために大切な視点①
短答後に、休息はとらず、次の日から徹底的に勉強してください。
租税法と選択科目のインプットは、大変ですが、6月中には終わらせてほしいと思います。
それは、5月までにどれだけ進めていたかに関わらずです。
その上で、7月以降は、計算科目の論文で重要性が高い論点だけは実力を維持する時間だけ確保し、その他の時間は、理論科目の文章対策と、租税経営の反復に費やしてほしいと思います。
4.5月・8月に合格するための大切な視点②
徹底的に費用対効果を意識して論点ごとの優先順位をつけることが重要です。
例えば、税法科目はどの程度やった方がいいですか、経営のファイナンスはどの程度やった方がいいですかという具体的な質問を受けることも多いですが、それに対する回答は、
徹底的に費用対効果を考えて強弱をつけるという基本方針に忠実に従うことがお薦めということになります。
例えば、
簿記の製造業とリース会計で考えると、
簿記の製造業会計は、20回に一度ぐらい短答の総合問題で出題されると仮定します。
また、リース会計は、10回中6回から7回程度個別の問題で出題されると仮定します。
その場合、1回あたりの本試験の期待値は、
製造業は、6点×2問(2問ぐらいしか製造業の論点ではない)÷20回=0.6点
リース会計は、6.5回×8点÷10回=5.2点
となります。
それぞれの範囲の復習に6時間かかるのであれば、一時間当たりの期待値は、
製造業が0.1点
リース会計が0.85点
程度と言えます。
つまり、リース会計の方が期待値が8倍以上あるので、当然にリース会計を優先的にマスターします。
過去の本試験の出題頻度と、その論点の復習に費やす時間、問題の難易度を勘案して、すべての科目のすべての論点の期待値を意識して、優先する論点を見極めてほしいと思います。
5月・8月に合格する方は、この優先度の選択が上手い傾向があります。
もちろん、すべての論点の期待値を正確に計算することなど不可能です。
でも、テキストを読み込むとき、問題集を解くとき、答練の復習をするときに、常にその意識を持って勉強の強弱をつけれるかどうかによって、効率は大きく変わります。
その視点から言えば、経営のファイナンスや法人税法の典型論点などは、期待値が当然に高いという理由で優先すべきです。
期待値が高いから優先するという理由を強く意識していないと、日々のすべての論点の復習の強弱が間違った方向に行く可能性があります。
ですので、4月5月の短答対策の時期には短答における期待値を、
6月・7月・8月の論文対策の時期には、論文における期待値を、
強く、強く意識するようにしてほしいと思います。
毎年、多くの方が、5月短答を合格し、8月の論文式を合格しています。
8月の合格を信じて、残り5か月間、一日一日最善を尽くしてほしいと思います!
自分自身の手で、未来の扉をこじ開けて行きましょう!!