第2回短答式試験も終わりました。
本日は、8月の論文式に向けた財務会計論計算の学習方法について説明していきたいと思います。 まず、論文式試験では財務会計論200点中80点程度が計算問題として出題されますので、理論対策が特に重要と言えます。
また、計算科目では素点で4割から5割程度の点数を獲得できれば十分に合格点を獲得することができます。
そのような状況の中で、80点程度の計算問題で効率的に安定的に5割程度の点数を拾うかがポイントになります。
その際のポイントは、
1.論文式試験における論点ごとの重要性を判断する
2.総合問題対策を行う
です。
1.論文式本試験における論点ごとの重要性を判断する
論文式試験においては、
総合問題としては、連結会計・キャッシュフロー計算書・組織再編が最重要です。
また、個別論点としては、退職給付会計・リース会計減損会計・金融商品会計・外貨建取引・純資産関連・資産除去債務・包括利益あたりが特に重要です。 そのため、短答式本試験とは重要性がかなり違いますので、本試験での頻出論点を効率よく対策してほしいと思います。
5月短答組は、個別論点については重要論点の力を維持する程度で大丈夫です。
2.総合問題対策
総合問題対策については、6割ぐらいの確率で連結会計、4割ぐらいキャッシュフロー計算書や組織再編関連というイメージです。
連結会計については、基本的な資本連結、成果連結を中心に、在外子会社や持分法会計、連結税効果、持分法から連結への移行などはしっかりと復習してほしいです。ただ逆を言うと、欠損、間接所有、連結除外、自己株式の売買、権利落ち・新株予約権etcなどの論点は出題可能性は高くありません。
そのため、連結は全部重要というわけではないですので、メリハリをつけてほしいと思います。
キャッシュフロー計算書については、個別も連結も基本的な論点は抑えておいてほしいと思います。テキストの例題レベルでいいと思います。
連結は、間接法・簡便法の組み合わせの出題可能性は低いですので、原則法の直接法と間接法の基本形は対策をしてください。また在外キャッシュも基本形だけはやりましょう。
出題された時に、点数を拾いに行くことができるレベルでいいですので、応用論点まで徹底的に復習する重要性は高くないです。
組織再編は、総合問題に絡む場合には、
基本的な合併の処理、基本的な株式交換、親子会社の合併、親子会社の株式交換あたりは出やすいと思います。そしてなんといっても事業分離会計が重要になります。
プラス、共同支配企業、結合当時企業の株主まで対策出来れば完璧です。 上記論点は、例題レベルでいいですので、基本知識をしっかり押さえこんでほしいと思います。
逆に、逆取得、株式移転、共通支配下の処理の応用論点などの出題可能性は高くないと思います。
ですので、合格ラインを取りたい場合には、連結は重要性の高い部分はしっかり、組織再編とキャッシュフロー計算書は守るという意識でいいのではないでしょうか。
その上で、総合問題は金額の集計能力がある程度問われますので、総合問題を解いてなれることを行ってください。上級答練や直前答練をやってもらえれば大丈夫です。
また、本社工場会計、製造業、建設業、本支店会計、在外支店など他の構造論点の出題可能性は高くない(10年に1回あるかないか)ですので、回らない場合には切ってしまっていいです。
余裕がある場合には、最低限テキストの最初の例題レベルを取れるぐらいは確認しておくと、万が一出出された場合に、点数を拾いやすくなります。
上記が、論文式本試験における重要性の判断のベースと、総合問題対策になります。
残り三か月間は、租税法や選択科目の対策、理論科目の文章対策に大部分の時間を取られると思いますので、簿記の計算に費やせる時間は多くありません。
ただ、上記対策と、個別論点も維持する時間は確保しないと、本番で財務計算で大きなマイナスを創る可能性を高めてしまいますので、その時間だけは必ず確保することをお薦めします。
最後に、もちろん、財務計算で稼ぎたい方は、もっともっと対策が必要なことは言うまでもない点はご注意ください。あくまで時間がない時に、どう効率的に論文対策をするかという視点でとらえてもらえればと思います。 8月論文合格目指して、頑張って行きましょう!!!