12月の短答式に絶対に合格したい!
そう思って、12月に向けて学習している方に向けて、学習戦略を書いていきたいと思います。
1.基本的学習戦略スタンス
2.経験者向け学習戦略
3.初学者向け戦略
1.基本的戦略スタンス
(1)暗記と定着のバランス
最終的に本試験日に暗記をしていないと点数は取れません。これは間違いない。なので、最後は暗記です。
しかし、理解ができていない場合には、何度定着してもなかなか定着しない、少し問題の角度を変えられるとなかなか得点できないなどの状態になりやすいです。
そのため、直前2か月は徹底的に定着(暗記)に特化しますが、10月中旬までは理解強化に意識を置いたうえで、少しでも定着を図るというスタンスが必要です。
そのためには、講義を受け直して、一つひとつの論点についてなぜそうなるのかというロジックを言えるようにする。
講義を受けて、直後の復習で一気に理解の精度を高める意識を持ってほしいと思います。
この理解は、自習ではなかなか強化が難しいので、可能な限り講義を受講し直すこと、かつ講義後にすぐに復習することをお薦めします。
もし、理解の強化を疎かにしていると以下のようなリスクが高まります。
① 反復をしてもなかなか定着しない
② 反復をして問題集は全部解けるようにしたが、初見の問題になるとなかなか解けない
③ 反復するときの抑えるべきポイントが明確にならないので高速回転ができず、結果反復回数が上がらない。
そのため、直前2か月は定着のみを意識して反復しますが、それ以前の時期には、理解を強化することに重点を置きつつ、定着を図るというスタンスがお勧めです。
(2)計算科目と理論科目のバランス
次に計算科目と理論科目のバランスについて考えていきます。まず本試験日に全科目高得点を取れるようになる方にとって、科目間のバランスはあまり関係ありません。全部の科目が仕上がるのであればその順番は大きな影響がないためです。
しかし、実際の受験生の99%の方は、試験当日に完璧に仕上がったという状況にはならないと思います。その時に、どこから仕上げるべきなのかという科目間のバランスがとても重要になります。
結論から言うと、本試験日には理論科目が仕上がっていて、計算科目(特に簿記)が多少仕上がっていないという戦略がお薦めです。
その理由は、科目のボリュームが異なるからです。
科目のボリュームについてザックリいうと簿記は他の4科目に対して2.5倍から3倍程度のボリュームがあると思います。これは講義回数もそうですが、講義後の復習・定着に係る時間まで加味しても同様のことが言えると思います。
しかし、本試験の配点は各科目ほぼ同じです。そして簿記を仕上げる時間で、理論科目を2・3科目仕上げることができます。
そのため、同じ回らない部分がある場合に、以下の3つのケースを比べてみましょう。
ケース1 全科目万遍なく仕上がっていない
ケース2 簿記だけ一部仕上がっていないが、その他の科目はすべて仕上がってる
ケース3 計算科目は仕上がっているが、理論科目が仕上がっていない
この場合、本試験での期待値は圧倒的にケース2の方が高くなります。
そのため、本試験日に理論科目が仕上がっている状態を最優先しつつ、その他の時間でできる限り計算科目を仕上げに行くというスタンスがお勧めと言えます。
(3)自分の学習方法に論拠を言えるか
以下では、各状況ごとの学習戦略について説明していきますが、その大前提として、自分の学習計画、学習方法が、本試験当日に向け、限られた時間の中で最大限点数を獲得できるものになっているのかを強く意識してほしいなと思います。
理解と暗記のバランス、計算科目と理論科目のバランス、講義の受け方、テキストの読み方、問題集の解き方、答練の復習の仕方etcなど、すべてが何を目的にして、どう実施しているという自分なりの持論・論拠を言えるようにしてほしいと思います。
考えて勉強するということを実現するためにも、是非持論・論拠を言えるようにしてください。
なお、この持論は、絶対に合っている必要もありません。持論を持つことでより正しい勉強方法に近づいていく効果、持論を持つことで改善点に気づく効果があるので、完璧を目指すことは一切必要ないという認識も大切にしてほしいと思います。
2.経験者向け学習戦略
では、経験者向けの学習戦略について説明していきたいと思います。
経験者向けの戦略については、まず理解と暗記のバランスについて見ていきたいと思います。経験者向けの方は既に5月に向けて定着を図ってきたというバックグラウンドがありますので、これからの時期に直前2か月までは理解の強化に重視を置き、その上でできる部分で定着を図る。直前2か月はその時点での理解をベースにひたすら定着を図るという方針がお勧めです。
また、計算と理論のバランスは、まず8月末までは計算の理解の強化&定着に使い、10月中旬までは理論の理解の強化に費やし、その後ひたすら2ヶ月間理論科目の定着に費やす形式がいいと思います。 例えば、CPAの経験者向けのカリキュラムを前提にすれば、 まずは8月末までで計算科目の圧縮講義が進みますので、その復習&短答問題集の演習を通じて理解プラス定着を強化。10月中旬までは理論科目の圧縮講義を進めつつ、その復習&短答問題集の演習を通じて理解プラス定着を強化。最後の2ヶ月間はひたすら定着の強化をテキスト&短答問題集で繰り返すというイメージになります。
そして、計算科目の力はある程度8月末までのものを維持し、その後は計算力の微増は目指しますが、理論科目を仕上げることを優先していくというイメージです。
他のスクールさんでは、カリキュラムが異なると思います。
例えば、全科目並行して講義が進むのであれば、特に8月末までに計算、10月中旬までに理論というスタンスよりは、講義と並行して全科目の理解と定着を強化するというイメージでいいと思います。
ただ、個人的には2・3カ月計算に特化することで計算力の強化が図りやすいと思っているので、あえて、8月末までは計算を強化し、その後理論科目を強化するなどの選択肢も検討してもいいかもしれません。
3.初学者向け学習戦略
初学者向けの戦略としては、理解を強化したうえで反復する。最終的には理論科目重視は経験者の方と変わらないのですが、まだまだ定着をしている経験が少ない、現状の状態も人によってかなり異なる、学校ごとのカリキュラムもかなり異なるので、以下の内容を参考にしていただきながら、ご自身に最適な戦略を立ててもらえればと思います。
まず、CPAの2年コースのカリキュラムですと、
既に計算科目と財務諸表論の講義はすべて終了しており、今後企業法と監査論の講義が週に2回ずつ10月初旬まで続くことになります。
そのため、現状で計算科目の理解が十分な方は、理論科目の講義の受講、理解の強化を最優先しつつ、並行して計算科目の定着を10月初旬まで進めていくことがお勧めです。
その上で、10月以降の2ヶ月間は計算力の維持を図りつつ、理論科目の定着の仕上げをしていくイメージを持ってもらえればと思います。
また、現時点でまだまだ計算力の理解が弱い場合には、理論科目の講義の受講、理解の強化を最優先しつつ、並行して計算科目の理解の強化定着を10月初旬まで進めていくことがお勧めです。計算科目の理解の強化は、できるところまででいいと思いますので、重要性の高い論点を優先して進めてもらえればと思います。
他のスクールさんの場合には、10月ぐらいまで各科目の講義が並行して進むケースが多いと思います。
その場合には、進む講義の復習を優先し、理解の強化と定着を図る。その上で、残りの時間で既に学習済みの計算科目の復習の強化を図っていくことになると思います。
上記のようなものがおおよその目安と言えます。
その上で、これからの5か月間で計算力を大きく向上させるというのは得策ではないですので、12月の本試験日に理論科目で高得点を獲得できることを最優先して、残りの時間でできる限り計算力を上げていく意識を大切にしてほしいと思います。
もちろん、学習量を確保することは大切です。そのため、できる限り多くの学習時間を確保してほしいと思います。その上で、同じ努力量でも、正しい努力をすることで効果は大きく変わります。 そのため、今日説明してきた科目間のバランス、理解と暗記のバランスを意識してご自身の勉強計画を立ててください。
プラス今回は触れませんでしたが、本試験での出題頻度と習得に要する時間を加味した重要性の見極めを大切にしてください。
直前2か月はみんな頑張れます。
大きな差がつくのは、今どれだけ頑張れるかです。
12月に合格を勝ち取れるように、今、やれることをしっかりやっていきましょう!!
ブログ読んでます。もう10回以上短答でこけ続けてます。管理会計論を解いていると、毎回計算で動悸が激しくなり、まともな点数が取れません。簿記は大学1年から勉強し続けていますが、簿記1級にも受からず、財務会計論では100点が越えられません。LEC,TACの講座を最後まで視聴しましたが、理論科目を覚えても覚えても忘れるため、毎度同じテキストを読むのが苦痛です。正直、会計士試験は運だと思います。深く勉強すればするほど不安になり、テキストはあまり読まず、大辞典を暗記しています。今回は300点を越えましたが、ベテラン受験生が確実に12月とおるには、監査論と企業法満点を目指した方がいいでしょうか。